留学とワーホリの違いとは?どちらが良い?選び方は?

留学とワーホリの違いとは?どちらが良い?選び方は?

多くの国で、観光ビザ免除プログラムで滞在できる期間は「3ヵ月」とされています。それ以上の期間滞在したいと思い立ち、その方法の可能性について調べ始めると、「語学留学」か「ワーキング・ホリデー」、いわゆる「ワーホリ」という選択肢が出てくると思います。

外国で学びたい人には「大学留学」、英語や外国語を本気で学びたい人には「語学留学」と選択肢は決まっていますが、それよりももっと浅い理由で「英語が話せるようになりたい」とか「外国に住んでみたい」と思う人は、留学かワーホリかで迷うことになると思います。結局は、どちらがよいのでしょうか?

その答えは各個人の条件や求める効果によって異なりますが、ひとつ言えるのは、語学を上達させたいのなら語学留学を選択するべきだということです。

約1年間アメリカ留学を経験した私が、留学とワーホリの違いにはどんなことがあるのか、まとめてみたいと思います。

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1.留学とワーホリの一番大きな違い

海外へ長期滞在するための個人の目的はさまざまあると思います。それによって「重要な違い」も異なるとは思いますが、海外生活するにあたっての重要ポイントは滞在資金の確保である観点から考えると、留学とワーホリの一番の違いは、「現地で合法的に働くことができるか、できないか」だと思います。

私は語学留学しましたが、最初のきっかけは先に書いたことと同様の理由で、「『外国に住む』という経験を一度しておきたい」と思ったことでした。

海外生活について知識ゼロのところから自分で調べ始めて、最初に「良さそう」だと行きついた情報は、外国で働きながら長期滞在できるという「ワーキング・ホリデー」という制度でした。

「語学留学」は基本的に、働くことは禁止されています。私が調べ始めた当初は貯金がほとんどなかったため、ワーホリができれば一番よいのかなと思いました。しかし現実はそう簡単にはいきませんでした。

2.ワーホリは、できる国とできない国がある。年齢制限もある

すぐに、私にワーホリは無理である理由が2つ判明しました。

私が住みたいと思っていた「アメリカ」には、ワーキング・ホリデーの制度がないのです。また、制度がある国でもワーホリが許可される条件に「年齢制限」があり、既に30歳を超えていた私は無理。「語学留学」を選ぶしかないことが、ここで確定しました。

この記事を読んでいる人ももし30歳以上なら、この先のワーホリの知識は必要ありません。どうぞ語学留学の情報収集に専念してください。

ワーホリできる国は16か国

「アメリカ」はダメだと分かり、じゃあどこならできるのか?と調べてみたときに分かったことは、ワーホリできる国(ワーホリ協定国というそうです)は意外に少ないことでした。ちなみに2017年2月現在では、以下の16か国が対象になっています。日本も協定国になっているため、協定国同士でこの制度が利用できるものです。

カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、スロバキア、ポルトガル、台湾、韓国、香港

日本には「英語を話せるようになりたい」人が多いことで、ワーホリの行き先としてよく聞くのは英語圏であるオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスあたりで、経験者の体験談が多いのもこれらの国だと思います。

ビザ発給の条件に年齢制限

ワーホリの制度を利用できるのは、ワーキングホリデービザ申請の時点の年齢が18歳から30歳までの人のみです。

以下の記事も参考になると思います。
» 参考: オーストラリアワーホリの基礎知識【定員・書類・申請期間など解説】

また、この制度を利用できるのは一人1回という制限がある国もあり、滞在期間中に生計を維持するための必要資金を持っていることも条件になっています。
» 参考: 外務省の「ワーキング・ホリデー制度」の説明

3.ワーホリの現実。滞在資金にできるほどは稼げない

ワーホリは、「現地で働けるのなら、今貯金がなくてもすぐに出発できる」と思いがちですが、ちょっと待ってください。外務省のサイトで「必要資金を持っていること」が条件になっている理由は、働けるとはいっても生活の足しになるような報酬が得られることは稀である現実があるからです。

世界中で不況によって自国の人でさえ働き口がないことが社会問題になっているご時世に、現地の言葉が不自由な特別なスキルもない外国人が、いきなりまっとうな職業に就けるなんてほぼ不可能であること、少し考えれば分かることですよね。

現実的な働き先とは?

現実は、よくて日本食レストランでのウェイトレスやウェイター、または現地の言葉を話す必要がない皿洗いや、農場での作業というのが一般的で、生活の足しになるほどの報酬をもらえることはないようです。

なお、「フルーツ・ピッキング」と呼ばれる果樹園での収穫作業は、ワーホリの人向けの働き口としてよく知られていますが、想像を絶する重労働だということです。日本国内にも同様の仕組みがあり、海外から日本にワーホリに来る人々を受け入れているところがあるようですが、受け入れ方法や労働条件に問題があることがたびたび話題になっていますね。

私の知人が実際に経験したことなのですが、自分が「うるし」にかぶれる体質であることを知らないまま、オーストラリアのマンゴー農園(マンゴーはうるし科の植物です)で働くことにしてしまい、行ったはいいが直後からひどい皮膚炎になって、作業内容以上に苦しんだそうです。やはり楽しておいしい話はない、ということでしょう。この彼女は、滞在費用は親御さんから出ていたこともあり、皮膚炎が治った後は観光旅行をして、予定よりかなり早めに帰国したそうです。

4.ワーホリでは語学力はつかない?

ワーホリがよいとされている理由のひとつに、「働きながら現地の言葉も覚えられる、学校にも通える」ということがあると思います。しかし現実的に可能か?と考えてみるとたいへん難しいことです。まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」の典型になってしまう可能性が高いと思います。

語学留学した者から言えることは、「真剣に勉強に取り組むと、働いたり遊んだりしている時間は、ほとんどない」です。学校の授業は午前か午後の半日ですが、宿題、復習、予習をきちんとすると、残りの半日もつぶれます。

私の通ったニューヨークの学校にも違法就労している人がいましたが、仕事で疲れると宿題をする時間がなくなると言っていました。それはそうですよね。彼女はそのうち、学校に来なくなりました。

ワーホリで働く方に重きを置いたとしても、渡航時点で日常会話に問題がない人以外は、会話の必要がない雑用に近い仕事にしか就けない現実がありますから、語学力が上達する機会はないと思っていた方がよいです。

ちなみに、「英語圏で生活するだけで、英語が上達する」と信じている人もいると思いますが、ただ生活するだけなら英語はほとんど話す必要はありません。例えば、海外転勤の旦那様について英語圏で何年も生活した奥様で、現地で真剣に英語を学ぼうとしなかった人は、英語が話せるようにならないまま帰国しています。それと同じだと思います。

5.留学とワーホリ、どちらがよいかの選び方

前述の外務省のサイトのワーホリビザ発給条件には、「主として休暇を過ごす意図」と明記されており、「休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度」であることになっています。ワーホリは、働くためでも勉強のためでもなく、旅行のための制度であることが分かると思います。

「英語をしっかりと身につけたい」意図がある場合は、「語学留学」を選ぶべきであると思います。

なお、語学留学しか選択肢がないと思っていた私のその先ですが、「インターンシップ」という選択肢も出てきました。インターンシップについては別の機会があればそちらで説明したいと思いますが、これも外国で就業体験ができるものです。しかし、言葉が不自由な状態で可能な仕事といえば、結局たかが知れていますし、勉学に集中できないことになるため、私は純粋な「語学留学」を選びました。それで私には最良の選択だったと思っています。

以上、ワーホリか留学かの選択で迷っている方には、旅行の延長の異文化体験ならワーホリ、英語を話せるようになりたいなら語学留学、と考えて選んでみることをおすすめします。「働く」選択肢は、ここでは忘れてください。

もし働きたいなら、大学留学して、語学力と専門知識と現地の一般常識をしっかりと身につけた後に、就労ビザを取得する道が正当であり最短のルートです。

記事が参考になれば幸いです。

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