30代半ばで留学した私が学んだこと。英語習得だけではない成果とは?

30代半ばで留学した私が学んだこと。英語習得だけではない成果とは?

このサイトで留学の経験談を執筆する機会をいただき、当時をじっくり振り返ることができているおかげで、「留学して本当によかった」と、改めて感じています。

こらから留学される方も私同様に、一生の宝物となるような経験をぜひしていただきたいと思います。

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1.語学は、実感がなくても上達はしていた

正直言って、留学生活をしている間は英語が上達してきている実感はありませんでした。いつまでたっても分からないことや困ったことが次々起こるので、それをなんとか切り抜けていくことだけで精いっぱいでした。

でも振り返って考えてみるとそれらの場面でも、以前はできなかった英語を話していて、相手の言うことも理解して、切り抜けているのでした。

例えばニューヨークの地下鉄は、各駅停車のはずが急行に変わっていたり、直前にアナウンスがあって停まる予定だった駅を通過してしまったりするようなことがかなり頻繁にあります。観光客として来ていた時には何が起こったのか分からず困っていただけだったのに、留学生活の途中からは、あの早口の車内アナウンスを聞きとって内容を理解し、困る前に手前で降りて別路線に乗り換えるなど、しっかり対応できるようになっていました。やっぱり何かしらは上達しているものなのですね。

語学上達を実感したのは、帰国直後ではなく何年も経ってから

私の場合、帰国直後の再就職には語学を生かしたり外国人と接したりする仕事を選ぶことはできませんでしたが、幸い日常生活で英語を使う機会に恵まれたこともあり、ある程度「必要に迫られる」英語の環境をずっと続けることができました。このおかげもあったとは思いますが、急に「翻訳ができるか?」と言われてやってみて、できると言えるレベルにあることに気づくなど、やはり留学して学んだからこそだな、と思えることは多いと感じています。

周りからの評価は、「英語が話せるようになって帰ってきた」だとしても、本人は「この程度では、話せるようになったとは言えない」と、その実感はありません。しかしできるようになったことは確実に増えていますから、上達はしているのです。

英語を理解できることで、アクセスできる情報の範囲は大幅に広がり、そのことで得られる恩恵も増え、自らの行動範囲も、周りから受け入れてもらえる範囲も大きく広がりました。これは海外旅行中に特に強く感じます。

2.語学以外で学んだことは、本当に多い

留学経験者がその成果について報告するとき、「語学以外で学べることがたくさんある」と必ず言っていると思います。これは決して、語学がたいして上達しなかった人の負け惜しみなどではなく、本当に価値があることだと私自身も思っています。

その気にさえなれば、国内での勉強だけでもある程度まで英語を上達させることはできるため、語学の上達だけが目的の人には留学までする必要はありません。わざわざ日本から出て留学する価値はそれ以外のところが大きく、実際にどんなことを学べるかは一人一人異なるものだと思います。どんなことを学べるのか明確な予想はできないということも、留学の興味深い点だと思います。

私は、社会人として日本で10年ほど働き、30歳を過ぎてから留学したからこそ、学べたことはこんなにも多かったのだと感じています。実際どんなことを学べたのか、一部をご紹介してみたいと思います。

世界における日本の位置づけを正しく知ることができた

留学前までの、私の日本に対する認識は、「日本は小さい国ながらも、世界経済においてはたいへん重要な位置にいて存在感のある大国である。世界中の誰もが日本のことを知っており、高く評価されている。」でした

ところが実際はどうでしょう。日本の外側にから日本を見てみると、存在感なんてありません。国土の狭さ同等程度の認知度で、重要視など誰一人していません。日本はいつも中国や韓国と一緒くたにされているアジアの小国である、というのが世界の現実です。どちらかというと、日本なんて知らないしどうでもいい、と思われている感さえありました。

日本国内の日本に関する情報は偏っている

「高く評価されている」と感じてしまうのは、認知度が低いことで、単に珍しがられているからだけでしょう。日本国内では、日本に都合がいい情報しか報道されていない事実があります。

日本人は日本語しか理解できない人がほとんどなので、世界の現実に気づく機会はないまま、疑問も持たないままの人が圧倒的多数です。気づく必要もないと考える人も多いでしょうね。気づけないまま、日本はレベルが高いんだ、と安心している日本人はまさに「井の中の蛙」だと思います。

私は旅行好きなこともあり、この先も世界あちこちに行くと思いますが、日本は別に、一目置かれていることはないし、存在感のある大国でもないのだということ、正しく知ることができてよかったと思っています。

「みんなと同じが良い」とする日本はおかしい

私の故郷も、現在住んでいる街も、外国に興味を持って頻繁に海外旅行したり、英語を話したりすること自体、「特殊な人」とカテゴリ分けされてしまうところがいまだにあります。そうではない「ごく普通の人、周りと同じ人」の枠から出ないでいるのが、一番よいことらしいです。

「これは、世界的にはかなりヘンな考え方のようだ」と留学してみたことで気づきました。一人一人違う考え方を持ち、行動するほうがずっと自然なことです。

帰国後も、留学したことがある「特殊な人」であることになってしまうのですが、留学したことによって世界標準が何であるかを学べた私は、この先も世界標準でいきたいと思っています。周りと違うなら、それは良いことだとも思います。

日本の常識は世界の非常識、がけっこうある

これに関しては以前、別の記事でご紹介しました。
» 参考: アメリカ留学中に体験したすごすぎるカルチャーショックの数々

日本の常識が世界の非常識である場合は、少しずつ正していったほうがよいのではないかと、個人的には思います。例えば、○と×の意味が真逆であることを知らない日本人が作った「対応可能/対応不可能」の一覧表は、外国でのビジネスにおいては誤解と混乱を招くことになりかねません。

また例えば、「風邪を引いたら出歩かずに休むべき」が世界の常識であるようです。日本でインフルエンザが猛威をふるっているとのニュースを見かけるたびに、「これって、『風邪程度で休むのは悪いこと』だという意識が、日本には浸透しているせいだよなぁ。休めばこれほどは広がらないのに、皆出かけるから、ウイルスをまき散らしてしまって起きてるんだよなぁ。」と思います。

このことに目をつけた悪い人に、薬の効かないウイルスでもばらまかれたりしたら、日本にも映画のような大惨事が起こるのではないかと、かなり本気で心配です。

外に出て初めて気づいた、「日本のいいところ」

一人一人が何をするにも責任感が強く、縦横すみずみまで配慮する能力が身についており、仕事の完成度が非常に高いところは、世界に誇れるべき点だと思います。

ニューヨークで、すべてにおいていい加減で適当な扱いばかり長く受けてきて「これで普通」だと慣れた頃、最後帰国にあたって日系の運送会社と日系の旅行代理店を利用したとき、そのきめ細かく完璧な対応には、本当に感激してしまいました。帰国して少し経てば日本国内ではごく普通のことで、普段はもう気づきもしないことになってしまっていますが…。「当たり前」のレベルが高いところにあることは、素晴らしいことだと思います。

欧米風のやり方に染まるのはよくないと思う

ただし残念なことに最近は、業種限らず日本国内でこの完璧さは、あまり期待できなくなっていると感じます。雇用形態が欧米風に変わったことで、一人一人の責任感も欧米並みに薄くなり、世に出ている製品やサービスのクォリティは一昔前より明らかに下がりました。

完璧に完成してから世に出すのが日本のやり方だったはずなのに、いつからか、未完成のままとりあえず出してみて不具合が出たら直す対応をしていく、アメリカ式の方法に変わってしまっていることも原因であると考えます。これは、製品を作る側は楽なのですが、利用する側とっては迷惑なことが多いです。

昨日も実は外出先で、担当者同士の縦横の連携が全くされないことによって生じる、ニューヨークでよく経験していたような不愉快な思いをしてきたところです。これは、とってもよくないことです。

そう気づいた私自身は少なくとも、日本人的な仕事に対する責任感や、クォリティの高さは今後も引き続き守っていこうと思っています。

3.留学を通した人としての成長に関して

多少のトラブルには動じず、冷静に対処できる

留学先ではとにかく、想定外のトラブルにばかり次々遭う経験をすることになり、試行錯誤しながら一人で対処して乗り越えて行くことになります。それによって、自然に身につく能力がこれです。

年齢の若い学生で留学資金の自己負担もなく、ご両親や専門の業者による手厚いサポートが常にある留学生の場合には、この能力はがつく機会はないのではないかと思います。

誰もが困りたくないとは思いますが、困ったところからしか学べないのが人間です。周りに頼らない生活をする社会人になってから留学したからこそ、より多くのトラブルを直接経験し、乗り越える方法も見つけ出していくことができたのだと考えています。

許して受け入れられることが大幅に増えた

世界にはさまざまな人がいる、さまざまな人がいて当然である、世界には、どんなに頑張っても願っても、変えられないものがたくさんあります。そのことにも気づきました。戦争がなくならない理由も分かりました。

自分の価値観とは合わないことだとしても、それを認めて受け入れないことには、先に進めたいことも進まない現実…。自分の価値観を優先してあきらめて拒絶してしまうのか、価値観と合わなくても認めて受け入れるのかの選択になりますが、私は後者の方がすべての物事がスムーズに運ぶと思います。留学したことでそれを学びました。私一人の価値観は必ずしも重要ではなく、みんな仲良く暮らしていけるのが一番であると思います。

大小さまざまなトラブルを多数経験したことで、小さなことはトラブルではなくなり、自然に許して受け入れられることが多くなりました。

「自分優先」でいい、という考え方

日本の日常生活では、自分のことは後回しになりがちな人が多いのではないでしょうか。例えば「仕事に対する責任感」とは、自分のことよりも仕事を優先させることを意味すると思います。留学前の私もこの部分がガチガチでした。ニューヨークに決める前に予定していたハワイ留学の予定をあっさりあきらめて見送ったことも、「自分優先」の考え方を一切持っていなかったからだったと思います。

しかし留学先で出会った人たちに、大いに刺激を受けました。なんとも無責任で、自由奔放である人がとても多かったのです。おおまかには「約束という概念がない」と言えば分かりやすいでしょうか。

自分と自分のごく近い周りのことだけが優先で、それ以外はどうでもいい、I don’t care. という人に多く振り回されるうちに、「私ももっと、自分のことを優先させてもいいんだ」と気づいたのです。

「私一人の価値観は重要ではない」と書いたことと矛盾するようですが、どちらを優先させるかどうかはそのとき次第で、臨機応変に対応することになります。留学後の私は、仕事に対する姿勢も、以前ほどガチガチにするのではなく、常にすべてにおいて余裕がある状態にして、何かあったら臨機応変に対応していけるように、意識的に心がけるようになりました。

周りに迷惑をかけないようにしつつ、自分も優先、臨機応変、このバランスを上手に保つのは難しいことですが、留学先でさまざまな苦労をした経験のおかげで自然にできるようになったと感じています。

4.留学で学んだ最大のこととは?

帰国して日本で再開した私の社会人生活は、就職先の街で探したアパートが、1軒目でパーフェクトで即決したことに始まり、あまりにもスムーズすぎて怖いぐらいでした。ニューヨークでは、いちいち全部つまずいていたこととのギャップが大きかったです。

留学前の日本は、私にとって住みづらく居心地のよくない場所だったのに、いったん外に出て戻ってみたら「こんなに住みやすい国はない」という印象に大きく変わりました。「海外移住したい」熱もすっかり冷めました。日本に住めることに幸せを感じられるようになったことは、日本人の私にはとてもよいことだったと思っています。

いろいろと偏っていた意識が留学の経験によってリセットされ、さまざまな学びがあったという達成感も充分にあり、心豊かな気持ちで日々生活できるようになったことが、私の留学の最大の成果です。

これから留学されるみなさんも、留学先では大変かもしれませんが、その経験は必ずあなたの人生を豊かにします。そう信じて留学生活をどうぞ楽しんでください。

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