ノルウェーのワーキングホリデー手続き情報【概要・準備・費用・手続き】

ノルウェーのワーキングホリデー手続き情報【概要・準備・費用・手続き】

ワーキングホリデーは、申請をする国で学校へ通ったり、旅行にでかけたり、働いたりしながらその国の文化を学ぶホリデープログラムです。2017年11月現在、日本人がワーキングホリデーに参加できる国は12か国あります。数ある国の中で今回はノルウェーの情報についてご紹介していきます。

1.雄大な自然がいっぱいなノルウェーでワーキングホリデー!

日本とは文化も景色も全く異なるノルウェーは、ワーキングホリデーにおすすめ!そんなノルウェーの魅力とは?

フィヨルドなどの自然の絶景スポットが楽しめる

雄大な自然の宝庫とも言われている、ノルウェーは自然の景色を楽しめる観光スポットが点在しています。とくに有名なのは100万年前に氷河が削られてできたという入江「フィヨルド」で、観光ツアーもよく組まれています。また、ディズニー映画の舞台となった「プレーケストーレン」と呼ばれる崖も有名です。そのほか、寒い冬や地域によっては神秘的なオーロラを見ることもできますし、5月~7月には太陽が沈まない白夜を体験できるなど、ほかの国でもなかなか味わえないものをノルウェーでは見ることができます。

まさにノルウェーだけ!を味わえる

ヨーロッパではいくつかの国がユーロですが、ノルウェーの通貨はクローネ、使えるのはノルウェーのみです。まず、ノルウェー以外でノルウェー語が学べる国は、ほかにありませんし、首都のオスロにはノーベル平和賞の授賞式が行われる場所もあります。ノルウェー以外でみないものは、ほかにもありそうな予感、あなただけのノルウェーを見つけてみませんか?

2013年にはじまったばかり

ノルウェーがワーキングホリデー協定国に入ったのはつい最近のことです。そのため、ノルウェーでワーキングホリデーを経験した人はまだまだ少数、日本では、ノルウェーのことを知らない人の方が多く、インターネットでも情報は少ないです。まだ経験している人、知っている人が少ない国だからこそ、あなただけのワーキングホリデー体験を通して、ノルウェーの魅力や情報を発信してみてはいかがでしょうか。

新鮮な魚介類がおいしい

海外は食事が肉メインとなる国が多いですが、ノルウェーはサケやタラなどの魚介類がおいしいので、肉よりも魚が好きという方におすすめです。

ムンクが有名

ノルウェーの芸術家といえば「叫び」で有名なムンクがいます。国内には、ムンク美術館やムンク関連のグッズも多いです。

水道水が飲める

ノルウェーの水道水は普通に飲めますし味も美味しいので、安心感があります。

無料で学校へ行ける

ノルウェーは教育分野に力を入れていますので、大学や高校に正規留学ならば、外国人でも無料で通うことができます。

労働環境が整っている

日本では過酷な労働環境を強いられるブラック企業もいまだにありますが、ノルウェーは仕事以上に家族と過ごす時間を大切にしているので、労働環境がしっかりと整っており安心して働けます。とくにノルウェーは日本以上に女性の社会進出化が進んでいますので、女性におすすめの国とも言えます。

治安がいい

ノルウェーはヨーロッパの中でも治安がよい方だとされています。とはいっても近年はヨーロッパを中心にテロも多いですし、観光客を狙ったスリなどもあるので、海外である自覚は常に持ち、油断はしないようにしましょう。

英語が通じる

ノルウェー人は子供のころから英語教育を受けており、高い英語力を持っていますので、ノルウェー語がわからなくても、代わりに英語が話せれば日常生活はなんとかなるという安心感があります。

2.ノルウェーのワーキングホリデービザ取得方法

2013年にはじまったノルウェーのワーキングホリデーは、発給人数に制限がないので、条件さえ満たせば申請によってほぼビザが降りるとみてよいでしょう。

ノルウェーのワーキングホリデービザの条件

  • 日本国籍を所有し、日本に居住していること
  • 18歳から30歳(申請時)であること
  • 10年以内に発行され、残存期間が滞在日数+3カ月以上のパスポートを所持していること
  • ノルウェーへ渡航したあと3ヶ月分の生活費を所持していること
  • ワーキングホリデー終了後にノルウェーを離れる意思があること
  • ワーキングホリデー期間に医療費をカバーできる保険に入っていること
  • 健康であること
  • 扶養家族を同伴しないこと
  • いままでノルウェーのワーキングホリデービザを取得したことがないこと

ワーキングホリデービザ期限

ワーキングホリデービザの期限はノルウェー入国から1年間(延長不可)となっています。

シュンゲン協定に注意

ノルウェーはシュンゲン協定加盟国となっていますので、ヨーロッパを旅行したい人は注意が必要です。

シュンゲン協定とは
ヨーロッパ国内で加盟国同士の通行の自由化と入出国審査の効率化を図った協定で、加盟国内ならば、はじめに入国した国で入国審査を受けたあと、加盟国内を移動するにあたっては2回目以降の入国審査をスルーできます。出国審査については加盟国から加盟国内外へ出国する際に受けることになります。シュンゲン協定の期間は、あらゆる180日の期限内で最大90日間となっております。

例えば、90日以上ノルウェーにいたあとに、シュンゲン協定加盟国へは行けませんし、ノルウェーに60日滞在したあとほかのシュンゲン協定加盟国へ30日間以上旅行し、その後ノルウェーに帰国、そのときすでに日数が90日以上となってしまえば再入国できなくなってしまいます。

180日の期限については、例えばノルウェーで80日過ごしシュンゲン協定非加盟国のオーストラリアへ90日間旅行したあとに、シュンゲン協定加盟国であるフランスへ入国した場合は、協定加盟国を離れてから90日しか経過していないので、ノルウェーのはじめの80日間もカウントされ、フランスでは10日以内に出国、またノルウェーに帰国するならば、90日の期限がくる前に帰国する必要があります。

これがノルウェーで80日過ごしたあと、オーストラリアで180日以上過ごしていれば、ノルウェーの80日分はリセットされますので、シュンゲン協定加盟国で再度90日間まで過ごすことが可能となります。シュンゲン協定加盟国は便利な協定ですが、期限の数え方についてはややこしいので、ヨーロッパ旅行の際は気をつけましょう。

主なシュンゲン協定加盟国

  • デンマーク
  • スウェーデン
  • フィンランド
  • オーストリア
  • フランス
  • ドイツ
  • イタリア
  • ベルギー
  • オランダ
  • ルクセンブルグ
  • スペイン
  • ポルトガル
  • ギリシャなど

就労&就学に関して

就学に関しては3カ月以内、就労は労働時間や期間に制限はありませんが、同一雇用主の元では最大6ヵ月までとなっています。

申請に必要なもの

  • 査証申請書
  • 必要書類チェックリスト
  • パスポートの原本と使用済みページの全コピー
  • 証明写真1枚(3.5cm×4.5cm)
  • 銀行残高証明書(英文)またはノルウェーでの就職先証明など
  • 滞在(宿泊)先の証明ができる書類
  • 健康であることを証明した健康診断書
  • 滞在期間をカバーする医療保険の加入証書、または加入宣誓書
  • 申請料5万円

銀行残高証明書について
銀行残高証明書は、ワーキングホリデービザを申請する本人名義の口座で、1ヵ月当たり9,785クローネ×3ケ月分の滞在資金が証明が必要とされています。2017年11月現在1クローネは13円なので、1ヵ月分としては13万円ほどとなり3か月分では40万円以上といったところです。

申請方法

ノルウェー移民局UDIのホームページから、事前申請登録手続きが必要になります。「create new user account」でユーザー登録をして「Work (Exchanges, cultural and organisational work」を選択して申請しましょう。

申請時に5万円の手数料はクレジットカードで支払い、必要書類のチェックリストがあるので「Checklist for working holiday for young adults from Japan」を印刷し、必要書類を準備します。
UDIはこちらへ

UDIの申請手続きが完了したら、ノルウェー大使館への日時の予約をしてから予約日に訪問し、必要書類を提出します。郵送やネット上ではワーキングホリデービザ申請ができませんのでご注意ください。ワーキングホリデービザはノルウェー大使館からUDIで審査に2週間ほど、場合によっては2カ月ほどかかることもあります。

申請が通れば、ビザとパスポートが送られ(郵送か大使館で返却かを申請時に選択します。)確認書が登録したEメールアドレスあてに届きます。

ノルウェー大使館所在地

住所 〒106-0047東京都港区南麻布5-12-2
営業時間 月曜―金曜
午前:9:00-12:30
午後:13:30-17:00
ホームページURL https://www.norway.no/ja/japan

3.ノルウェーのワーキングホリデー出発までに準備すべき7つのこと

ワーキングホリデービザを取得するにあたって、準備すべきことや出発までにやるべきことを7つにまとめてみました。

①:語学の勉強は絶対!現地の語学学校だけでは厳しい

ノルウェーでは英語も通じますが、やはり職探しにしろ日常会話にしろ、ノルウェー語を学ぶことは避けては通れません。ノルウェー語は知識なしで現地の語学学校で勉強するのはなかなか難しいもの、しかもノルウェー語を学べる語学学校は少ないのが現実です。ノルウェー語は日本にいる間から、オンラインレッスンを使うなどして、できるかぎり勉強しておきましょう。

英語について
高い教育水準を誇るノルウェーは、幼いころから国民は英語教育を受けて育っているので英語はペラペラな方が多く、英語はほとんどの人に通じますのでノルウェー語だけではなく、英語もある程度勉強しておいた方が日常会話にも仕事にも役立つでしょう。多くはありませんがノルウェーには、英語の語学学校もあるので、自信のない方はまずは英語を学ぶということもできます。

ただ、初心者が英語を学ぶならノルウェーへ行く前に、英語のマンツーマンレッスンが豊富&格安のフィリピンへ留学して学ぶという方法がおすすめです。筆者も経験がありますが、フィリピンには、オーストラリアやニュージーランドなど英語圏でワーキングホリデーをする前に留学をする方々がいっぱい集まっているのです。

ワーキングホリデー前にフィリピン留学がおすすめな理由はこちらへ。
ワーホリ前にはフィリピン留学で『準備』をしよう。その理由とは?

②:航空券の手配

日本からノルウェーまでは直行便がないので、1回または2回の乗継便を利用することになります。ノルウェーまでの所要時間としては13時間ほどです。航空券の相場としては、一般的な航空会社ならば、13万円~30万円以上かかることもありますが、格安航空会社ならば片道で7万円前後ほど、安いものだと5万円台のもあります。

③:海外旅行保険の加入

ビザの申請には海外旅行保険の加入証明が必要になります。海外旅行保険の相場は1年間で15万円~25万円といったところです。重視してもらいたいのはやはり、万が一の治療費用が充実していることです。また、パソコンやスマートフォンが盗難にあったときのために、携行品の保障もあればつけるとよいでしょう。

④:情報収集

ノルウェーに関しての情報を、できる限りインターネットや本、ワーキングホリデーの説明会などで事前に集めておきましょう。また、留学エージェントにも相談すれば、現地のことや準備など、いろいろな情報を教えてもらえますよ。

⑤:ノルウェーに持っていきたいものを準備

1年間と長い期間だからこそ持っていきたいものを厳選してみました。

常備薬や化粧品
薬や化粧品は自分に合った日本製のものが一番です。とくにデリケート体質な方はできるだけ多めに持参しましょう。

裁縫セット&爪切り
裁縫セットは服のボタンが取れたときなどに便利、爪切りは意外と現地で手に入りにくいものです。どちらも100円ショップのもので十分。

パソコン
家探し、職探しでパソコンは必需品、軽めのものを選びましょう。

SIMフリーのスマートフォン
日本でSIMフリーのスマートフォンを持っていき、現地でSIMカードを購入または、Wifi環境で使えます。

変換プラグ
Cタイプの変換プラグを2個ほど、また3つや2つの電化製品をつなげるプラグもあると便利です。変圧器は荷物になるので、できるだけ電化製品は海外対応のものがおすすめです。

電子辞書
ノルウェー語のものがなければ、英語の電子辞書を持参しましょう。

ノルウェー語&英語の文法書
日本語で書かれた文法書は現地では手に入りにくいので、持参するか航空便で送るとよいです。

ガイドブック
ガイドブックは日本製のものが見やすくておすすめです。必要なページだけPDFにしたり、切り取ったりすれば軽くできます。

文房具
日本製は質がいいですし、最初から学校に行く場合はあまり買い物している時間もないので。

チェーンロック
旅行時の荷物管理などに活躍します。

防寒具
寒いのでダウンジャケット、コート、使い捨てカイロやヒートテック、手袋、帽子、ブーツなどがあればよいです。とはいっても荷物になるので少しスーツケースに入れて、残りは後日、日本から家族に頼んで送ってもらうという方法でもよいでしょう。

日本食
日本の調味料や日本食は高いので、持ってこられるものや、送れるものは日本からがおすすめです。

クレジットカードや国際キャッシュカード
現金よりもカード社会なので、クレジットカードや国際キャッシュカードは、VISAとマスターカード、アメックスなどブランドの違うものを2~4枚持参がおすすめです。

各種書類のコピーや証明写真、履歴書など
仕事探しのための、ノルウェー語の履歴書のテンプレートなど作成しておくと現地でも困らないでしょう。パスポートやビザ、クレジットカード、航空券、海外旅行保険などの重要書類は万が一の紛失、盗難、提出に備えていつくかコピーを持っているとよいです。証明写真も余ったのがあれば持ってきましょう。

⑥:1年間の費用は大丈夫?

ヨーロッパの中でも北欧はとくに物価が高いと有名ですが、ノルウェーはそんな北欧の中でも、物価が高いとも言われているので、資金には十分余裕を持って行く必要があります。とくに首都のオスロは物価が高いので、滞在費を抑えたい方は、ほかの都市を検討してみるとよいでしょう。

学校
大学や高校への正規留学は無料ですが語学学校はお金がかかり、だいたい月に6万円~15万円ほどをみておきましょう。また、大学や地域の中で、語学授業を受けられるところがあれば、さらに安い費用で受けられる可能性もあります。

滞在費
住居費としてはホームステイなら月々8万円~17万円、シェアハウスなら月々65000円~85000円といったところが相場です。アパートやフラットシェアに住むなら、住む前にデポジットで3dか月分の支払いが必要になることがあるので、その費用だけで12万~20万くらい覚悟する必要もあります。

食費に関しては外食の場合は、カフェのランチでも1500円~2000円ほどかかります。自炊をすれば野菜や果物は安いので、住居費と合わせて生活費は月に10万~12万円くらいに納めることもできます

滞在費を抑えるためには、節約よりも働いたお金で補うということになるでしょう。ノルウェーの賃金は1300円~2000円位と日本に比べて高いですが、消費税が25%、所得税が40%と税金を多く納める必要があります。また、仕事を見つけるのも難しいので、仕事が見つからない期間のことも合わせて費用を考える必要があります。1年間の費用としては130万円~180万円以上は用意しておきたいところです。

⑦:最初の居住地を決める

ノルウェーのワーキングホリデービザの申請には、最初にノルウェーで滞在するホームステイ先や寮などで滞在証明が必要になります。

ホームステイ
ノルウェーに慣れないうちは、ホームステイは最初の居住地としておすすめです。語学学校を申し込んだエージェントに相談すれば、プランニングしてもらえます。

学校寮
学校寮付の語学学校は居住証明もしっかり発行してもらえる安心感もあり、最初の住まいとしておすすめです。

インターネットで探す
ホテルやゲストハウス、ドミトリーなどでもワーキングホリデービザの申請が通ったというケースがあるようですので、学校やホームステイ以外に居住したい方は試してみてはいかがでしょうか。

CouchsurfingやAirbnbといったサイトでは、インターネット上で住まいを提供している人と住まいを探している人を無料でつなげてくれるサービスを行っています。料金はお互いに話しあって決めることもできますので、日本にいてもノルウェーの物件を探すことができます。居住を証明してくれる書類を発行できるかという点に注意しましょう。
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4.ノルウェーに着いたら必要な7つのこと

ノルウェーに到着してからやるべき手続きもいくつかあり、7つにまとめてみました。

①:在留カード(滞在許可証)の発行

居住地を管轄している警察署で、入国から7日以内に在留カード(滞在証明書)の発行をパスポート、ノルウェー大使館からのビザ承認のメールを印刷したものを持参して行うことになります。在留カードについては後日郵送されます。

ノルウェーに来て、一番はじめに行うべき手続きとなるでしょうから、忘れないように気をつけましょう。

②:TAXカードの申請

ノルウェーで働くときは、日本で働くのと同様に税金を支払う必要があります。税務署(Tax Region Office)でTAXカードを申請すると、IDカードが発行されこのカードは、この後のノルウェーでの滞在中の身分証明書として役立ちます。

③:銀行口座開設

給与の振り込みのため、パスポート、在留カード、IDカードを持って銀行口座を作成しましょう。

④:運転免許証の切り替え

日本の運転免許証を持っており、ノルウェーに3ヵ月以上滞在する場合は、運転免許証の切り替えが必要になり、日本の運転免許証は日本国大使館に送られ、帰国時に受け取りとなります。手数料は300クローネかかり(日本円で4000円ほど)滞在許可を得てから1年未満の方は試験が免除されます。

⑤:家探し

最初はホームステイや学校寮などに滞在しても、ホームステイは高額のお金がかかりますし、学校は卒業するまでなので長期滞在の方は、シェアハウスに移る方が多いです。シェアハウスなら1人暮らしよりも、住居費を抑えることができます。シェアハウスの相手はインターネットや語学学校などで探してみましょう。

⑥:労働許可申請

警察署にフルタイムもしくはパートタイムの労働申請を許可してもらいます。

⑦:職探し

ノルウェーでの職探しは、数あるワーキングホリデー国の中でも厳しいことを覚悟した方がよさそうです。仕事につくには、ノルウェー語と英語両方が高レベルで話せると有利です。一番見つけやすいのは、日本食レストランとされ、そのほかホテルや清掃、ウェイトレスなどもあります。

仕事探しはインターネットや、お店やレストランのホームページ、SNSなどをチェックしてみましょう。ノルウェーでは大変なことも多いかもしれませんが、その分ワーキングホリデーが終わるころには、成長が期待できます。

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