南太平洋に位置するニュージーランドは留学先や移住する方もいるほど、日本人に人気のある国です。
大自然豊かで治安も良く、社会保障制度が充実していることも人気の理由かもしれません。
この記事では、ニュージーランドに長期滞在する方に向けて、知っておきたい医療事情と医療保険の重要性についてご紹介しましょう。
ニュージーランドの医療事情について
ニュージーランド・オークランドは日本人留学生が多く住んでおり、長期滞在している人は多いです。
安心して現地生活を送るためには、万が一の病気や怪我に備えて、医療事情を知っておくことが大切です。
ニュージーランドの医療水準は世界基準のレベル、衛生面も問題なく、安心して医療を受けることができます。
ただし、日本のように健康保険証を持ってどこでも好きな病院に行って診てもらえる訳ではありません。
日本の医療機関と比較すると、総合病院は予約が取りにくかったり、公立病院の混雑さも目に付きます。
ニュージーランドの医療制度は「GP（General Practitioner ）」と呼ばれるホームドクター制度を採用しています。
ニュージーランド国内に3,500施設以上あり、基本的に登録制となっています。
ニュージーランドでは、風邪でも湿疹でも、緊急時以外は、どんな症状であっても、まずはかかりつけのホームドクター（GP）の診察を受けるのです。
GPには歯科を除き、内科、外科、小児科、婦人科、眼科、耳鼻科など、すべての診察を行います。
以下の人は、ニュージーランドの医療制度「GP」に加入することができます。
医療制度の対象になる方
・ニュージーランド市民権を保持している方
・Residence Visa（永住権）保持している方
・Work Visa を2年間継続的に保持している方
「GP」に加入すると公立病院で専門医の治療を受ける場合に限り、無料で診察を受けることが可能です。
外務省 ニュージーランド
https://www.mofa.go.jp/
ニュージーランドの医療制度
ニュージーランドの医療制度はオーストラリアと同様に以下の5つの分野に分かれています。
- GP「ホームドクター」
- Specialist「専門医」
- Hospital「総合病院」
- Pharmacy「薬局」
- Radiologists. Laboratory-tests「検査機関」
GP（ホームドクター）に専門性の高い治療・診察が必要と判断されたり、手術や入院が必要だと言われた時は、GPからの紹介状を出してもらいます。
GPの招待状が出たあとに、専門医による診察を受ける流れとなるので手間と時間がかかるのです。
専門医に診てもらうにはGPの紹介状が必要になりますのが、公立病院か私立病院を選択できます。
GPはレントゲンや血液検査は対応していないため、必要な場合は他の検査機関に行く必要があります。
処方医薬品は街中の薬局で処方箋を持っていくと購入することが可能です。
急な病気や大きな怪我をした場合、交通事故の救急搬送、大きな手術は紹介状なしで、緊急外来のある公立病院で受診します。
GPの探し方
GPは住んでいる地域に関係なく選ぶことができますが、最寄りのGPに登録すると便利です。
GPを選ぶ際は家から離れていない場所、複数の医師がいる病院を選ぶと良いでしょう。
GPは登録後に変更することが可能ですので、家から近くて複数の医師がいれば混雑せず、便利です。
多くのGPは予約制ではないこともありますが、予約制の方が待ち時間を短縮できるのでおすすめ。
GP検索サイト
http://www.yourlocaldoctor.co.nz
オークランドでは日本語対応の病院もあるので、言葉のコミュニケーションに不安な方は日本人の医師や看護師がいる病院を選ぶと良いでしょう。
East Med Doctors （日本語対応可能）
http://www.eastmed.co.nz/
ニュージーランドのACCサービスとは？
ニュージーランドにはACC（The accident compensation corporation ）サービスと呼ばれる社会保障制度があります。
ニュージーランドで旅行中の怪我や事故による手術、入院費、救急車、入院中にかかる諸費用までが損害補償制度です。
ACCサービスの補償対象は永住者、ワーキングホリーデー、海外旅行者など幅広いのが特徴です。
ビザの種類に限らず、留学生から旅行者、永住者まで幅広い人を対象に、一部の医療費、もしくは全額がACCが負担してくれます。
医療費負担の範囲は医師が事故や火傷、転倒などによる捻挫、怪我と判断されると適用されます。
※病気・妊娠・出産・歯科治療などは対象外
ACCサービス
https://www.acc.co.nz/
ニュージーランドの医療費っていくら？
ニュージーランドの総合病院には私立病院と公立病院の2つあります。
専門医で受診をするためにはGPからの紹介状を持って公立病院、私立病院いずれかを選ぶことができます。
市民権、永住権、2年連続のワークビザの資格保有者が公立病院の専門医に診察してもらう場合は、入院を伴う手術でも医療費は全額無料です。
ただし、公立病院はいつも混雑しており、待ち期間は長く、3ヶ月先になってしまうこともあります。
一方で、私立病院は高額な医療費がかかりますが、待ち時間がほとんどなく、すぐ診てもらえるのがメリット。
医療機関従事者の人手不足が深刻なニュージーランドではスピーディーな私立総合病院にかかる人が多いです。
GPによって診察料金は異なりますが、1回あたりの診察の相場は$60〜$100、処方箋薬は$5程度です。
ニュージーランドで医療保険に入れるの？
ニュージーランドには日本の国民健康のような制度はなく、医療保険、海外旅行保険などに加入する必要があります。
急なな病気や怪我による手術や入院となれば高額請求の可能性があるので、保険加入は不可欠です。
ニュージーランド移住者、ワーキングホリデー、留学生、駐在員は現地で長期滞在向けの保険に加入することができます。
医療保険は保険会社によって補償内容が非常に異なりますので、事前に情報収集して検討しましょう。
保険には加入しておくべき理由
日本と比較するとニュージーランドの医療費は高額ですから、医療保険に加入しておくと安心です。
渡航する前に日本で海外旅行保険に加入して、現地生活を始めたら、医療保険や職場が提携する医療保険に変えると良いでしょう。
歯科医での治療は保険が一部適用されないことがあるので、任意の治療保険を検討しましょう。
ニュージーランドの歯科技術の水準は高く、症状、治療方法、通院期間、義歯など歯科技工物の素材によって治療費は異なります。
まとめ
ニュージーランドの医療水準や衛生面は問題なく、高品質な医療を受けることのできるので安心です。
ニュージーランドに長期滞在する場合は、ビザの種類や期間に合わせて最適な健康保険に加入しましょう。
