日本の学校から秀才がいなくなる日。

大袈裟かもしれないが、そんな日が来るかもしれない。その予兆となる出来事が2016年にあった。

アメリカ世界最高峰の大学MITが無料で修士課程の講座の一部(DEDP)をオンライン上で公開。世界中どこにいても無料で受講できる仕組みを発表した。さらにそこでの成績優秀者はMITのキャンパスでの教育を継続でき、最終的にはMITの経済学科修士号も取得することができるという.

無料で大学・大学院レベルの講義をオンラインで受けれる仕組みは前々からあったが、世界中にどこにいても世界トップの大学学位の取得も出来る可能性があると言う点が先進的。ITがもたらす教育イノベーションだと話題になった。

ここではこのMITのMicroMastersプログラムを紹介するのと共に、この仕組が世界にどういうインパクトを与えるのか、なぜそれが日本から秀才がいなくなることに繋がるのかを考察したいと思う。

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MITのMicroMastersプログラムとは?

まず、MITの取り組みを簡単に説明をしておこう。

  • MITの講義を(前期分のみ)無料で受けられる。
  • edXというオンライン授業プラットフォーム上で講義は提供される。
  • 優秀な成績の人は修士課程のフルプログラムにも申請可能。
  • 生徒の平均年齢は約30歳で3~8年の社会経験を積んだ人が多い。
  • パイロットプログラムは2016年2月からスタートした
  • コースの修了者は1,100人以上
  • テストの受講料は所得に応じて100ドル~1,000ドル。2万5000ドル以下だと100ドル以下で受けられる。
  • 以下の5つのコース内容を受講し、それぞれに試験がある

<5つのコース内容>
Microeconomics(ミクロ経済学)
The Challenges of Global Poverty(世界の貧困問題に関するチャレンジ)
Data Analysis for Social Scientists(社会科学者のためのデータ分析)
Foundations of Development Policy: Advanced Development Economics(開発政策の基礎および先進開発経済)
Designing and Running Randomized Evaluations(ランダム化された評価の設計と実行)

動画の解説はこちら

MITの学費は?奨学金制度が充実。成績次第で無料でフルプログラムも

MITはもともと優秀な学生を集めるための奨学制度がとても充実している大学だ。所得に応じて授業料が決まる(ニードブラインド)制度は有名な話しだが、2021年からは家族の所得が9万ドル以下の世帯からは授業料を取らないと宣言をしている。

それ以外にも91%の人が何かしらの奨学金を受け、72%の大学生が借金ゼロで卒業をしている。

MicroMastersプログラムからフルプログラムに上がる生徒も適応されるかどうかは調査が必要だが、恐らくそこだけNOという事は考え難い。
つまり、成績が優秀でさえあれば、本科のフルプログラムまでも無料、もしくは安価な授業料で参加が出来るかもしれない。

そういう意味で、世界の誰しもにチャンスがある夢のようなプログラムとも言えるだろう。

MITの本当の狙い

MITの真の狙いはブランディングと世界中から優秀な母集団を募る狙いだろう。

結局、経済学修士を取得するには、一定期間の通学が必要。
またマスタープログラムに移行するにはテストを受験してパスする必要がある。これは決して簡単ではないだろう。

さらには、無料で取得できる修了証とフル受講した場合の修士号の価値には大きな差があるであろう。
この話しはアメリカ教育界でも話題になっているらしい。

とどのつまり、MITから見ればこれは無料体験制度みたいなものかもしれない。

オンラインであれば量産してもコストはさほど変わらない。
であれば、講座の一部を世界にオープンにし、集まる中で優秀な人を集めることがマーケティング的な真の狙いだと思う。
(本当に慈善的な意味でやるのであれば全部無料にするはずだから)

基本的にオンライン講座の修了者は10%にも満たないというから、ここで優秀な成績を修めるというのは、それだけの熱意もある人。
修了した人は1100人と言われているが、講座を受けた数で言えば相当数に上る。この母集団を募るための仕組だと感じざるを得ない。

しかもおまけで「MITは世のため、人のための大学」と言うブランドイメージまでついてくる。

アメリカで起きているオンラインで学位が取得できる動き

MITが授業を提供するのはedXというオンライン授業プラットフォーム。これは大学レベルの授業を無償で提供することをコンセプトにハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)が参加しており、業界でいえば2番目にユーザー登録者数がいる。

<登録者数>
1位 Coursera – 3,000万人
2位 edX – 1400万人
3位 XuetangX – 930万人
4位 FutureLearn – 710万人
5位 Udacity – 500万人

出典:By The Numbers: MOOCS in 2017

オンラインで講義を受ける仕組みの総称をMOOCと呼ぶが、MOOCは2017年時点では9400の講座が公開されており、7800万人もの人が学ぶプラットフォームにまでなっている。

直近の動きとしてはMITの他にも、アリゾナ州にあるフェニックス大学がインターネットの授業だけで学士や修士を取得できる「オンライン・キャンパス」を実施したり、デューク大学がオンライン授業だけでMBA(経営管理学修士)を取得できるコースを提供したりとアメリカでは、通信教育で学位の取得を推し進める動きが活発になってきている。

また、学位の取得はできないものの、前述のedxやGoogleやビルゲイツ財団が支援するカーンアカデミーといったオンライン教育プラットーフォームも注目を集めており、「学びたい」という熱意を持った人に与えられる選択肢がどんどん増えてきている。

オンライン学習のメリットと未来

テクノロジーを使うことで、どこでも受講は可能。自分のペースで学ぶことが出来る。しかもそれが無料となれば良い事しかない。
提供する側もクラスのキャパシティーを気にすることなく、コンテンツが魅力的であれば受講生数はどんどん増える。

ただ、オンライン学習は現時点では動画を見て、宿題、評価、ディスカッションが出来るプラットフォームに過ぎない。

生徒からのくだらない質問に荒げた声で返したり、居眠りする生徒にチョークを投げる!
そういった実際の講義でこそ出来ることは出来ない。

しかし、将来的にはVRや画像認識機能などあらゆる技術が導入され、もっともっと実際の講義えしか出来ないような弱点すらも補えるだろう。

日本から秀才がいなくなる

オンライン教育市場の成長は明らかに教育におけるイノベーションであり、世界全体で今動いていること。しかし、自分はこのオンライン学習が進めば進むほど日本の教育界には不利になっていくと思っている。日本に与える影響は小さくない。

オンライン学習は学習者にとっては世界のどこにいても自分で学コンテンツを選べる。インターネットさえあえれば、学習者は世界平等だ。そうなると頭の良い人ほど、コンテンツ選ぶようになるだろう。

世界大学ランキングで日本の大学の順位が低下していく中、英語でコンテンツを提供する大学の底上げが進み、その差は拡がる一方。
賢い人ほど、日本の大学には興味を示さなくなるという懸念は拭えない。

事実、すでに日本のトップ開成高校では昨年21人の人が海外の大学に進学している。入れるならば東京大学に入るのが当たり前だった10年前とは異なり、明らかに世間の視野は世界に向かいつつある。

オンライン学習が描く未来は、場としての学校が必要ない時代。モチベーションがある学生とない学生との格差だと思う。

テクノロジーの進展スピードが年々早くなる昨今、やる気がある学生にとっては最高の環境、日本の教育界からは寒い時代がやってくるのはそう遠くないかもしれない。