アイルランドに限らず、海外に留学をする場合は適切なビザの取得が必要となります。
アイルランドの場合、3ヶ月以上の留学の際はビザを取得しなければなりません。滞在目的によってビザが異なるので、自分の目的にあったビザを選ぶようにすることが大切です。
まずはどのような目的で、どのぐらいの期間滞在するのかを明確にしておきましょう。
ここではアイルランド留学で必要なビザについて、種類、取得方法、費用などを中心にまとめました。どうぞ参考にしてみてください。
留学スタイルによってビザの種類が異なるので確認しよう
アイルランドへ留学する場合に取得できるビザは「学生ビザ」と「ワーキングホリデービザ」の2つがあります。ビザを申請する際に必要な資格や方法、現地での活動制限なども異なるので、ご自身の留学スタイルに合ったビザを申請しましょう。
学生ビザ
学生ビザの特徴は、出発前にビザの申請や手続きが必要ないという点です。他の国に留学する場合は出発前に申請をしなければならないことがほとんどですが、アイルランドでは現地到着後、入国管理局で申請する流れになります。
- 期限
- コース開始日から35週間(8ヶ月間)うち25週間の就学(出席率85%以上を保つ必要有)が必須、8週間のホリデー付与
- 申請
- アイルランド入国後、期限内(入国審査で1ヶ月もしくは3ヶ月の滞在許可スタンプが押されます)に入国管理局にて申請ただし入国時に就学予定の学校からの入学証、もしくは出国用の航空券がない場合は入国を拒否されることがあるので注意しましょう。現地で実際に学校を見学してからどの学校に通うかを決めることもできますが、学生ビザを申請予定の際は日本出発前に現地の語学学校に申し込みをすると安心です。
- ビザ取得回数
- 8ヶ月ビザで最大2回まで更新が可能(計24ヶ月)
- 就労
- 週20時間までのパートタイム勤務が可能
- 期限
- 入国日から1年間
- 申請
- 日本で申請 申請時期は例年1月、7月の2回で、年間400人まで
アイルランド入国後、IRP(入国管理局)で外国人登録を行う必要があります。 - ビザ取得回数
- 1回まで 更新不可
- 就労
- 週39時間までの勤務が可能
- パスポート
- 語学学校の入学許可書(スクールレター)
- 住所証明(後日外国人登録カードが郵送されるため、アイルランドでの住所が必要。)
- 残高証明(€3000以上)以前はアイルランドで銀行口座を開設し、振り込む必要がありましたが、現在は日本の銀行でも€3000相当の残高証明書を発行すれば認められるようになりました。ただし、到着前1ヶ月以内の本人名義の残高証明書が二部必要なので、注意しましょう。
- 保険加入証明書(アイルランド滞在期間を全てカバーする必要があります)
- 申請料€300 ※クレジットカード、デビットカードまたは銀行振り込みにて支払う。(現金での支払いはできないので注意が必要です。)
- 電話番号
- アイルランド到着後、入国管理局のHPから予約を取る。
- 予約の完了メールが届くので印刷し、予約日時に入国管理局へ行く。
- 必要書類を提出し、€300支払う。
- 後日、外国人登録カードが郵送される。
- 申請書を提出(E-mail)
- アイルランド大使館で審査(申請結果は申請期間受付終了後の翌月中旬までにE-mailにて通知)
- 必要書類を提出し、€300支払う。
- 必要書類一式を大使館に送付(許可がでた場合)
- 申請許可のE-mail
- 申請書と写真2枚
- パスポート(原本)
- パスポートのコピー
- 履歴書(英文)
- 卒業証明書(英文原本)
- 残高証明書(英文原本)※個人資金として50万円以上の金額を示す本人名義の残高証明書
- 医療保険証券、または付保証明(英文原本とA4コピー1枚)アイルランド滞在期間をすべてカバーするもの
- 航空券(原本とA4コピー1枚)片道航空券または往復航空券。Eチケット、予約確認書可
- 返信用レターパック510
- パスポート
- ワーキングホリデー許可証
- 住所証明(後日外国人登録カードが郵送されるため、アイルランドでの住所が必要)
- 申請料€300 ※クレジットカード、デビットカードまたは銀行振り込みにて支払う(現金での支払いはできないので注意が必要です。)
※12/15~1/15、6月~9月の期間は40時間までの勤務が可能
学生ビザを取得する場合の注意点は、学校への出席率を85%以上保たなければならないという点です。近年、学生ビザの規則が厳しくなり、出席率が悪い場合は学校から入国管理局に連絡がいきます。その場合ビザ取り消しとなることもあるので注意しましょう。
ワーキングホリデービザ
※ワーキングホリデービザから学生ビザに切り替えることは可能ですが、現在はアイルランドの入国管理が厳しくなり、一度日本へ帰国する必要があるようです。
アイルランドの場合、ワーキングホリデービザを取得した場合は就学の義務や就学期間の制限はありません。語学に自信がある場合は語学学校に通わずに仕事をすることもできますし、また語学に自信がない場合は1年間語学学校に通い続けることもできます。
ワーキングホリデービザは学生ビザに比べ、就学や就労の規制も緩く自由度が高いです。一方、年齢や申請の時期や人数に制限があります。学生ビザ、ワーキングホリデービザいずれの場合も現地での滞在期間がカバーできる保険の申し込みが必要となってくるので、時間に余裕をもって準備することが大切です。
目的別のビザの種類と概要【取得方法、申請方法】
アイルランドのビザの概要や申請方法は突然変更になることがあります。
出発前にIRP(Irish Residence Permit)(以下、入国管理局と表記)のHPで現状を確認してください。
学生ビザ
ビザの申請に必要な書類(アイルランド到着後申請)
申請方法(ダブリンの場合)
申請方法(ダブリン以外の地域の場合)
こちらにそれぞれの地域で手続きができる場所(Garda)の住所が記載されているので確認してください。
必要書類はダブリンで手続きをする場合と同じですが、手続きができる日が各Gardaで異なり、地域によっては週に2回だけというところもあるようですので注意が必要です。また、外国人登録カードも郵送ではなく、後日Gardaへ引き取りにいく必要がある場合もあります。
ワーキングホリデービザ
アイルランド大使館HP ワーキング・ホリデープログラムを確認
※申請料として60ユーロ(7,900円)必要です。
外国人登録に必要な書類(アイルランド到着後申請)
2つのビザに共通しているのが、現地到着後に「居住証明(外国人登録)」を行わなければならないという点です。
アイルランド到着時、空港の入国審査ではパスポートに3ヶ月間の滞在許可スタンプが押されます。外国人登録は、アイルランドに90日以上滞在する非EU国籍の全ての人に義務付けられている手続きです。入国日より3ヶ月以内にダブリンの入国管理局(地方の場合はGardaという警察庁)へ行き、外国人登録を行うと、滞在期限が延長でき、居住証明ができるカードが発行されます。
以前はこの手続きをするために朝の6時から入国管理局で順番待ちをし、1日かけて手続きをするという流れだったのですが、2016年9月より、オンライン予約ができるようになりました。入国管理局に行く際は、予約完了メールをコピーして持参するとスムーズに手続きが行えます。注意点は予約が非常に取りにくい状態となっていることです。季節によっては1ヶ月、2ヶ月先まで予約が取れないというケースもあるので、アイルランドに入国後1番に予約を取りましょう。
まとめ
アイルランドに限らず、留学する際にはあらかじめ準備をしておくことが大切です。
その中でもビザの取得は最重要事項なので、念入りに下調べをしておきましょう。
特にアイルランドのビザ申請の手続きはここ数年変更が相次いでいます。必ず出発前に入国管理局のHPを確認してください。筆者がアイルランド滞在中も、「申請方法や申請費用が変更になるらしい」と何度か噂が流れ、噂で終わることもあれば、突然変更になった例もありました。
また、語学学校やビザなど各種手続きに不安がある場合は留学エージェントに相談するのも1つの方法です。最新の情報を得ることができ、心強い味方です。無料で相談できるエージェントあるのでうまく活用しましょう。
アイルランドはアメリカやオーストラリアに比べると、まだまだ日本人の留学生も少なく、情報が限られてしまいますが、ヨーロッパの中でも比較的治安のよい国です。隣国であるイギリスに比べると、滞在費もリーズナブルなのでヨーロッパに留学したい方は是非アイルランド留学を考えてみてください。
▶アイルランド留学の都市・場所選びを解説