みなさんは「ケベック・シティ」という街を知っていますか?カナダの大都市モントリオールから、車で約3時間のところにある、歴史ある街です。そのケベック・シティ、実はある言語習得の語学留学先として、とてもオススメの街なんです!
「カナダだから英語?」と思う人もいるかもしれませんね。
今回は、ケベック・シティの魅力や、気候・文化、語学留学先としてのメリット・デメリット、日本からアクセスなどについてご紹介していきます。ケベック・シティに興味のある人も、ケベック・シティを今初めて知ったという人も、この街の美しさをぜひ堪能していってください!
*カナダの通貨はカナダドル(CAD)。2017年10月下旬現在、1CAD=88.6円です。また、この記事にある情報は2017年4月下旬のものです。
1.カナダのケベック・シティってどんなところ?
カナダ東にあるケベック州。その州都であるケベック・シティは人口約53万人の歴史ある街です。
カナダで1番美しい街と言われるこのケベック・シティには、毎年世界中からたくさんの人が観光に訪れます。
さっそく、ケベック・シティの見どころやイベントを見てみましょう!
オールド・ケベックの見どころ
たくさんの見どころがつまっているオールド・ケベックのエリアは、アッパー・オールドタウンとロワー・オールドタウンに分かれています。
アッパー・オールドタウンには歴史あるホテルやシタデル(城塞)、教会など、ロワー・オールドタウンには思わず写真におさめたくなる素敵な商店街や、ミュージアム、ロワイヤル広場などがあります。
それぞれの人気スポットを見ていきましょう!
Chateau Frontenac
ケベックの街のシンボルであり、そのお城のようなゴージャスな外観から、世界一のフォトジェニックホテルと言っても過言ではないChateau Frontenac。
19世紀の終わりごろ、カナダ太平洋鉄道のWilliam Van Horneにより、アメリカの建築士Bruce Priceの設計で建てられた、歴史あるホテルです。
数々の有名人や政治家が宿泊する高級なホテルではありますが、一生に1度は泊まってみたい、夢が膨らむホテルですね。
Terrasse Dufferin
Terrasse Dufferinは、ホテルChateau Frontenacのすぐ横に位置する、広い遊歩道です。数々のストリートパフォーマンスや、下に見えるセントローレンス河の美しい眺めを楽しみましょう!
Funiculaireと呼ばれるケーブルカーでロワータウンに降りることもできます。
遊歩道に沿ったソリ(Dufferin Terrace Slides)は、冬の間に楽しめるアトラクション。冬のケベックを眺めながらのスライドに興奮です!
La Citadelle de Quebec
長い間ケベックを守っている城塞であり、観光地としても人気の場所。
夏の間に行われる兵隊の交代セレモニーは、毎朝10時に始まります。連隊マスコットであるヤギの凛々しく可愛い姿も見られますよ。
Petit Champlain
小さいお店やカフェが並ぶ、歴史ある商店街。カラフルで可愛いお店たちにカメラを持つ手がうずうずすること間違い無しです!
街歩きに疲れたら、通りのカフェで一休み。たくさんの行き交う人をウォッチングしながら、優雅なひとときを過ごしましょう。
Marche du Vieux-Port de Quebec
地元の人の暮らしぶりを見るには、食を覗くのが一番!
地元でとれた新鮮な野菜や、果物、海鮮、お肉、お花、ビールにワインが並ぶマルシェは、ふらっと立ち寄るにも、じっくり見て歩くのにもオススメの場所です。
郊外の見どころとは?
郊外にも様々なスポットがあります。さっそく見ていきましょう!
Parc de la Chete-Montmorency
ケベックのダウンタウンから、車でわずか15分のところにあるこの公園で、雄大な自然を体感しましょう!
ナイアガラの滝より30メートルも高いモンモランシーの滝。ゴンドラから見る眺め、階段からの眺め、滝の上にかかる吊橋からの眺め、どれも息を呑む美しさです。
ジップラインや、Via Ferrataと呼ばれる岩肌を上るアクティビティで、素晴らしい景観を望みながらスリルを味わってみてはいかがですか?
Parc National de la Jacques-Cartier
輝かしい自然の台地で、さまざまなアクティビティを楽しみましょう!
夏はハイキング、フィッシング、キャンプ、カヌーやカヤック、冬にはスノーシューでのハイクもできますよ。
年間のとおしてのイベントとは?
多くの観光客が訪れるケベック・シティでは、1年を通してたくさんのイベントが開かれています。
春には演劇フェスティバル、イベントが目白押しの夏にはミュージックフェスや、たくさんの大きな帆船を見学できる船のフェスティバル、多くの人で賑わう花火大会が。
夏から初秋にかけては、ワインフェスティバルや、サイクリングのレース「Grand Prix Cycliste de Québec」があります。
冬の寒い時期は、大人気のウィンターカーニバルが1月から2月にかけて開催されます。雪風呂やアイス・カヌーレース、夜のパレード、雪ソリ、スケート、他にもたくさんのアクティビティがあり、子供から大人まで、毎年たくさんの人が楽しんでいるビッグイベントです。
2.ケベック・シティの気候や文化
「寒い」という印象が強いカナダの気候。果たしてケベック・シティにも当てはまるのでしょうか?
ケベック・シティを知る上で重要になる、文化や言語についても見ていきましょう!
①:気候
北海道、札幌は北緯43°、ケベック・シティは北緯46°に位置しています。この緯度から見ても分かるように、ケベック・シティの冬は寒い氷点下の日が続きます。
1年で1番寒い1月は平均最高気温マイナス7℃、平均最低気温がマイナス16℃ほど。冬に滞在予定の人は、防寒具+スノーブーツの準備をお忘れなく!
そんな寒さの厳しい時期でも、地元の人々や世界各国からの観光客と一緒に、冬のカーニバルを元気いっぱい楽しみたいですね。
春はまだまだ寒く、雪が降ることもありますが、夏は平均最高気温が25℃、平均最低気温が13℃ほどと暑すぎず、さわやかな過ごしやすい気候に恵まれます。
秋は美しい紅葉を見ることができ、ケベック・シティは四季折々の気候と景色を楽しめる街と言えます。
②:文化と言葉
およそ400年の歴史があるケベック・シティ。
ファースト・ネーションズと呼ばれるカナダ・アボリジニの人たちの暮らしから、フランス領そしてイギリス領の時代を経て、現在のカナダ、ケベック・シティがあります。
フランス語を公用語としており、フランスの文化や雰囲気を感じられるのが特徴です。しかしそれだけではなく、カナダのひとつの街としてカナダの文化や雰囲気も持ち、ケベック・シティ独自の文化と空気がそこにあります。
またフランスの食文化も深く根付いており、ケベック・シティではたくさんの素晴らしいフランス料理を楽しめます。
フランス料理にカナダ名物のメープルシロップを使った料理など、カナダの食文化とフランスの食文化が融合された料理にも注目です!
ケベック州生まれのプーティンをはじめ、鴨もケベック・シティではマストな食べ物。ケベック・シティ滞在の際には、文化も食文化もしっかり味わいたいですね!
続いて言語に関して。近隣の大都市モントリオールではフランス語と英語が使われていますが、ここケベック・シティではほとんどの人がフランス語を使っています。
そのため、道路標識やレストランのメニューもほぼフランス語。フランス語を話さない人は、訪れる前にほんの少しでも勉強しておくことをおすすめします。
ただし、ケベックの人々はフレンドリーで、観光客慣れしているため、英語だけで大丈夫な場面も多々あるでしょう。しかし、「挨拶はフランス語でする」など、その土地の言葉を尊重する姿勢も見せたいですね。
ケベックで話されるフランス語は「ケベコワ」と呼ばれ、フランスで話されるフランス語とは少し違うものです。
その歴史は約300年前までさかのぼり、フランスの北西部から入ってきたフランス語は、現在までカナダの中で独自に発達してきました。
ケベコワとフランス語の違いは、アクセント、ボキャブラリー、グラマー(文法)にあります。スペルに違いはありません。
3.ケベック留学のここがイイトコ、イマイチなトコ
ケベック・シティのたくさんの見どころやイベント、美しい街並みに「訪れてみたい!」と思った人も多いはず。
しかし観光と語学留学は違うものです。旅行先としては素晴らしいケベック・シティですが、語学留学先としては一体どうなのでしょうか?
語学留学先としてのメリット・デメリットを見ていきましょう!
①:メリット
滞在費用が安い
語学学校費用も、バンクーバーやトロントなどの大都市に比べると安めですが、特記すべきはその滞在費用の安さです。
シェアハウスに滞在した場合、1ヶ月のレント(家賃)が約300〜500ドルと、カナダの他の都市に比べると非常に安く、長期滞在者にとってはうれしい限り。
交通費もマンスリーパスが85.60ドルと、トロントの146.25ドルに比べると随分と安めです。語学留学しながらも節約したい!という人にオススメの街ですね。
日本人が少ない
ケベック・シティではフランス語習得のための語学留学が主となるため、語学留学に来ている日本人の数は、他の都市に比べるとうんと少なくなります。
また、カナダ国内やアメリカ、世界各国から来ている語学留学生と親しくなれるチャンスも多くあり、フランス語だけでなく英語を使える機会もあります。
②:デメリット
英語の語学留学先としてはイマイチ
多くの日本人が第二ヶ国語として習得したい英語。
フランス語が話される街ケベック・シティでは、英語は通じるものの、殆どの人がフランス語を話し、語学学校でもフランス語を中心に教えています。
そのため、英語を勉強したいという人にとっては、オススメの語学留学先とは言えません。
フランス語の違いに注意
ケベック・シティの言語の項でもご紹介したように、ケベックで話されるフランス語はケベコワと呼ばれ、フランスで話されるフランス語とは少し違うものです。
語学留学先のアクセントや話し方は、長く滞在すればするほど自然と身についていくもの。その違いを知ったうえで、語学留学の計画を立てましょう。
4.ケベック・シティへの行き方
カナダの東側に位置するケベック・シティ。日本からの行き方は、そして近隣都市へのアクセスは、どのようにすれば良いのでしょうか?
①:日本からケベック・シティへ
日本からの直行便はないため、乗り換え便を利用します。乗り換え場所はバンクーバーやトロント、アメリカの都市です。
価格の安いものは乗り換え回数が多く2〜3回、合計移動時間も30時間以上と、体力に自信がある人向け。乗り換え回数が1回で、移動時間も短いほど価格が上がる傾向にあります。
ケベック・シティの空港からダウンタウンに出るにはタクシーを利用します。
移動時間40分ほど、料金34.25ドル。
空港からダウンタウンまでの直通バス(RTC)78番もありますが、平日の早朝に2本しか出ていないため、ほかの時間にバスを利用する場合は、乗り換えが必要になります。運賃は1回3.5ドル、1日パス8.25ドル。
» 空港からダウンタウンまでの移動情報詳細はこちら
時間があり体力にも自信がある人は、日本からトロントまで直行便で行き、そこからVIA鉄道を利用して、ケベック・シティのダウンタウンに移動する方法もありますよ。次の項にご紹介する「ケベック・シティ→トロント」の逆ルートになります。
②:ケベック・シティから近隣都市へ
トロントへ
- 飛行機:片道155ドル〜、移動時間約2時間、直行
- 鉄道:片道86ドル〜、移動時間8時間半〜、乗り換え1回(モントリオールで)
モントリオールへ
- 鉄道:片道33ドル〜、移動時間約3時間、直通
- 長距離バス:Orleans Expressで片道25ドル〜、移動時間約3時間、直通
ニューヨークへ
- 飛行機:片道81ドル〜、直行便は移動時間約2時間、乗り換え便(1回)は移動時間約3時間半〜
- 鉄道:ケベック・シティからモントリオールまではVIA鉄道を利用(上記参照)。モントリオールからニューヨークのまではAMTRAK鉄道で、片道料金69ドル、移動時間10時間半
まとめ
歴史ある街並みや四季折々の風景、フランスとカナダなどの文化が融合されたケベコワ文化を味わえる美しい街、ケベック・シティ。
滞在費や生活費も安く、「フランス語に浸りたい」「フランス語を真剣に習得したい」という人にオススメの語学留学先です。
その美しさから、一度滞在したら離れたくなくなっちゃうかも!?みなさんもケベック・シティで、この街の美しさに負けないくらいの、素晴らしい語学留学を叶えましょう!