アメリカ留学の帰国準備、大変な手続きを全てまとめて解説します

アメリカ留学の帰国準備、大変な手続きを全てまとめて解説します

アメリカ留学は、始まりから終わりまで新しい経験の連続ですが、帰国準備もそのひとつです。日本に籍や契約やモノを置いたまま出発した時とは異なり、すべてをキレイに片付けてアメリカを発たなければなりません。実際にやってみるとかなり大変でした。

しかも、「留学するまで」の情報はこれだけあふれていて、情報提供してくれる人もサポートしてくれる業者もたくさんあるのに、「留学先から帰国するとき」に関しての情報は、驚くほど少ないのが実情です。

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アメリカ留学後の帰国準備に関する情報が少ないのはなぜか?

留学先のすべての生活を引き払って帰国したことがある経験者が、留学先の現地にはいない(当然ですが)、もしくは少ないことにあるでしょう。経験して知っていなければ、アドバイスもサポートもできませんからね。

現地での生活においてこれまで分からないことがあったとき、あれこれ助けてくれた友人たちも、帰国の経験はまだしていないので、何も知りません。今回ばかりは頼ることができないと思います。

また帰国してしまった人としては、帰国後の日常生活が急に忙しくなり、留学している人のことを気にかける時間は取れなくなるものです。(私がそうでした。)ネット上に情報をまとめて提供するような余裕もなかなかありません。そしてそのうち忘れてしまいます。そういう人が多いので、情報は少ないままなのだと思います。

今回は私の経験から、帰国手続きの中でも特に分からなくて困ったこと、苦労したことを中心にご紹介します。これから帰国の経験をする方には、先に知っておくことができれば、きっとスムーズに手続きできるだろうと思います。

アパートの退去手続きの情報収集は早めに始めよう

日本で一人暮らしを経験したことがあってアパートの賃貸契約の一般常識を知っていたとしても、アメリカの常識とはかなり異なりますので要注意です。そのことに気づかなかった私は、ギリギリになって初めて知って「えっ、違うの?それは困る!」となったことが、いろいろありました。

貸主や仲介業者によっても、ルールが異なることはあるかもしれませんので、帰国の可能性が出てきたらできるだけ早く(少なくとも2ヵ月以上前から)、情報収集を開始することを強くおすすめします。

日本とは異なり、途中解約はできない

日本のアパートだと年間契約をしていたとしても、退去したくなったらいつでも、1ヵ月前に書面で通知するだけで好きな時に引っ越しができますよね。でもニューヨークは、違いました。

「普通は年間契約するものです。半年契約にすると月々の家賃が高くなりますよ。」と仲介業者に言われたにもかかわらず、私は半年契約にしたい、と通したことだけは正解だったようです。入居4か月目のときに、5か月で退去したい旨を伝えてみたところ、「退去は自由ですが、途中解約はできません。家賃は契約期間分発生します。」と言われました!えーっ、なにそれー!!

このようなことは、賃貸契約書に書かれていたと思いますが、契約したのは言葉がまだ不自由なとき。読めないんです。だから日系の不動産仲介業者を利用したのに、このような超重要なことも、こちらから思いついて聞かないかぎりは教えてくれないなんて!

彼らにとってはニューヨークの常識が彼らの常識で、日本のアパート契約の常識と比較する必要もないし、どうでもよいのでしょう。「賃貸契約書は読めないから日系業者を頼ればよいだろう、困ることがないように配慮してくれるだろう。」なんていうのは、私の勝手な思い込み。助けてくれる保証はどこにもないのに、高額な仲介手数料を支払ってまで頼ったことは、私の完全な選択ミスでした。

それに、読めないではなく、読もうと努力しなかっただけ。すべて自分のことは自分で責任をもつべきで、契約書も自分でしっかりと読んで理解してからサインするべきだったのです。

住まないのに家賃を払わなきゃならないなんて、納得いかない!結局アパートには、契約期間いっぱいまで住むことにしました。

もし業者を信用しすぎて、最初に誘導されたとおり1年契約してしまっていたとしたら…確実に家賃を払えなくて困ることになっていました!

日本の常識をいろいろ知っている社会人は、外国も同じだろうと無意識のうちに思い込んでしまうところがあると思います。特に書類にサインして同意するようなことは、日本の常識とは違うかもしれないと常に疑い、注意することが重要だと思います。

退去の意思を伝えたあとは、勝手に部屋に入られることがある?

すべての業者がそうかは分かりませんが、不動産業者へ退去の意思を伝えると、業者は多分すぐに次の入居者の募集を開始するのだと思います。住んでいる本人には無断で、部屋探ししている人に部屋の中を見せることもあるのだろうと思います。

私の部屋も「もしかして誰か、私がいない間に部屋に入った?」という形跡があった日が何日かありました。業者の担当者が一緒に入るので部屋のものが盗まれたりすることはないのですが、プライバシーは完全無視?イヤーな感じ。日本じゃあり得ないことですよね。

窓越しに隣りの部屋から丸見えでも気にしない人ばかりのニューヨークでは、「勝手に入られて見られても、気にしない」人の方が多いからこうなんでしょうか。
» 参考:アメリカ留学中に体験したすごすぎるカルチャーショックの数々

そういえば私が部屋探しをしていた間も「信じられないぐらい、汚く散らかっている部屋」しか見られなかったのは、これが理由だったのかもしれません。他人に見られるなんて予想していなければ、特に片づけたりはしない。そんな状態の部屋ばかり見せられていたのだと思います。

デポジット(敷金)の返金は渋られるのが普通。でもあきらめないで

これも日本ではほとんどないことですが、ニューヨークでは入居時に支払ったデポジットをなかなか返金してもらえません。現地在住歴が長い友人によると、それが普通だということ。

デポジットはもともと、住んでいた間に壊したり汚したりした部分のメンテナンスに使われるお金のはず。そう認識していた私は、もともと壊れていた部分は入居時に写真を撮っておいて提出し、入居時よりも確実にキレイに掃除して、返金を渋られる理由が全くない状態にしました。それでも、渋られるものでした。

帰国してしまってから催促を何度もしなければならないことや、日本での生活が忙しくなることなどで、返してもらえないままあきらめてしまう日本人も多いと聞きます。そこにつけ込まれて、あきらめるのを待たれているところもあると思います。

別の記事でもご紹介したとおり、私が借りたアパートのデポジットは「家賃の1か月分」で、約16万円。私にとってあきらめるには惜しすぎる金額でした。
» 参考:留学前の貯金はいくら必要?社会人の私がNY留学した際の費用を公開

メールで何度も何度も何度も催促をしましたが、仲介業者からは「家主さんから連絡がありません」との返信。「じゃあ何度も連絡してみてよ!仲介手数料たくさん払ったでしょう!ちゃんと仲介してよ!」ってかんじで(実際にはもっと柔らかい言葉を使いましたが)、私はあきらめずに頑張りました。

ちなみに、返金方法は銀行振り込みではなく「インターナショナル・マネーオーダー」にしてもらいました。こうすると、銀行送金手数料を大幅に節約することができます。
» 参考:アメリカ留学中のお金管理【銀行口座は不要!現地のお金管理ワザ】

なお、私のときは、マネーオーダーを普通の郵便で送ってもらって無事届いたのでよかったですが、配達途中の紛失を心配するのなら、配達状況を追跡できる書留(Registered Mail)にするとよいと思います。ただし書留にするには追加料金がかかります (12.95ドル~) 。

なおマネーオーダーは、券面で指定された受取人以外は換金できないことになっていますので、特に郵送時に保険などはかけなくても、万一配達途中で行方不明になったら再発行してもらうのが手軽かもしれません。

発送手続きしてくれる不動産仲介業者が、どこまでやってくれるかは不明ですが…。各自の交渉力次第になると思います。

日本に送るものの用意と発送

留学生活中に使った身の回り品のうち、売ったり捨てたりせずに日本に持ち帰りたいものは、何かしら出てくるものだと思います。スーツケースには入りきらないようなものです。できるだけ送料を安く、確実に届く方法で送りたいものですね。

選択肢は、航空便 or 船便 or 宅配便?

「届くのに時間がかかってもいいから安く送りたい」人向けには船便がよかったのですが、USPS(郵便局)のアメリカからの船便は、2007年5月に廃止になったそうです。(なお、米国ヤマト運輸には2017年1月現在も「単身プランSea」という船便がありますが、送りたい荷物が比較的多い人向けです。)

ダンボール箱数個程度の量の場合、USPSの窓口から国際小包にして送るか、宅配業者を利用するかの選択になると思います。私のときは、英語の説明から読み始めてしまい、調べても調べても違いやメリット/デメリットがよく分からなかったので、最後にニュージャージーにある米国ヤマト運輸のオフィスに電話して日本語で聞きました。

「別送品」にすると、日本の税関で「身の回り品」として扱われて関税がかからないのですが、もともとの送料が高めです。「宅配便」にすると送料は比較的安いのですが、商品を輸入するのと同じ扱いになり、中身の「購入時価格」を細かく申告しなければならないうえ、品物に応じた関税や消費税が別途かかる可能性があります。

参考:米国ヤマト運輸のウェブサイトの料金表

参考のために、現在の米国ヤマト運輸のウェブサイトの料金表で比較してみると以下のようになります。
(燃油特別付加運賃(は毎月変わります。以下は2017年1月の料金です。)

3辺の長さの合計と
重量の制限
別送品 国際宅急便
(関税、消費税が別途加算される)
宅配運賃 燃油特別
付加運賃
宅配運賃 燃油特別
付加運賃
100cm以内 10kgまで $130 $6.17 $95 $4.51
120cm以内 15kgまで $150 $7.12 $120 $5.70
140cm以内 20kgまで $160 $7.60 $135 $6.41
160cm以内 25kgまで $180 $8.55 $155 $7.36

私が送りたかったものは本やCD、DVDだったのですが、「それなら国際宅急便にしても、追加でかかるとしても商品価格の消費税分の5パーセントだけですよ。」と教えてもらいました。

郵便局から送ると、別送品申告してもしなくても送料は変わらず、中身の申告価格は大雑把にしてよい(「身の回り品」なので購入時価格でなくてよい)らしいです。

結局どうしたかというと、なによりも箱が重くなってしまい郵便局まで運ぶのは無理だと思ったため、部屋まで引き取りに来てくれるヤマト運輸にしてしまいました。引き取りに来てもらったときに計ってもらったところ、箱は15kgでした。

別送品申告、関税についての注意点

別送品申告とは、送ったものに日本の輸入関税がかからないようにするための手続きです。帰国する人に限って利用できます。日本の手続きのため、日本語で別送品申告書を作成し、帰国時に日本の空港の税関に提出します。

私のときは、送料の安さにひかれてしまい、関税の意味をよく考えず、国際宅急便にすることにして、別送品申告の手続きはしないことにしました。

当時、実際にかかった送料は80ドルでした。郵便局で送ったとしたら15kgの荷物は125.90ドル、安く済んでよかったと思っていました。しかしその後、実際に荷物が届いたあと、クレジットカードに追加で50ドルのチャージがありました。発送のときに真正直に申告した中身の購入価格のきっちり5%の消費税分!やっぱりかかったのです。

結局かかった費用は、別送品にしたのと同じぐらいだったことになります。本やCD、DVDだけだったので5%で済みましたが、中身次第では関税はもっとずっと高くなります。やはり帰国する人のためだけの優遇免税制度である別送品申告手続きは、した方が無難ということになるでしょう。

身の回り品はムービングセールで売り払う

日本国内とは異なり、気軽に実家に送ったりするようなこともできないため、すべてのモノを処分しなければならないのが「帰国」です。処分が難しい大きな家具などは買わないようにしていましたが、それでもこまごましたものはけっこうあり、みんなほぼ新品、捨てるにはおしい。それらはすべて「ムービングセール」で売りました。

アメリカでは、「売ります買います」のシステムが深く浸透していて、現地在住の日本人も積極的に利用しています。このため日本人とだけのやり取りでも、必要なものをほとんど売買できます。例えば私も、テレビはムービングセールで安く買い、帰国の時にはまたそれを売ってきました。
» 参考:add7 掲示版 ニューヨーク売買

他にはコーヒーテーブル、椅子、食器やグラス類、鍋類、キッチン用品、フロアマット、洋服ハンガー、洗濯かご、etc. 洗剤の使い残しのようなものまで、売りに出せば買ってくれる人がいます。

ネットでムービングセールを開催するには

現地在住の人向けの掲示板サイトなどに、ムービングセールをするとの掲示を出し、自分で作ったサイト(フォトアルバムのようなものでもOK)のURLを載せます。サイトには写真つきで値段をつけて売りたいものを公開し、自分の電話番号やメールアドレスも掲載して、ほしい人からの連絡を待ちます。なお、品数が少ない場合は、掲示板サイトに直接写真を貼りつけてしまってもよいようです。

連絡が来たら、品物とお金の受け渡し方法、受け渡し日を相談して、条件が合えば交渉成立です。あまり早くに手放してしまうと、自分が不便になってしまうものもあるため、受け渡し日もよく考える必要があります。

連絡はけっこうすぐあります。一気に連絡が重なることもあります。電話で受けていると、切ったとたんにまた別の人から電話がかかってきて、どれが売れてどれが売れていないかの管理もなかなかたいへんです。受付はメールだけにしたほうがよいかもしれません。

なお、引き取り手が決まったものには「売約済み」などの追記をしないと、同じものにいつまでも違う人から問い合わせが来てしまいます。…などなど、コツがいろいろ要りました。品数が多ければ多いほど、管理には手間がかかるものです。

買ってくれるのは現地の日本人だが、ドタキャンもあって困る

一度交渉成立したはずなのに、受け取り間際に気が変わる人もけっこういて、困るものでした。特に、大きなものをドタキャンされると困ります。これから留学する方は買う側にもなると思いますので、ぜひドタキャンはしないようにしてくださいね。

特に、帰国前日まで使いたい「上掛けふとん」を、最終日に引き取ってくれる約束の人が当日現れず、こちらから電話してみたところ「都合が悪くなったので引き取りに行けません、とメールしたのですが」とキャンセルされそうになったときには、困りました。

引取り日指定に了承したからあなたに譲ることにしたのに!約束当日の変更の相談にメールだけ?電話連絡もするのが「分別のある大人」じゃないの?

なにより翌日朝に帰国を控えていた私、今さら引き取ってもらえないのは困る!とニューヨーク留学最終日の貴重な数時間を費やして、その人の自宅まで届けに行きました。そしたら、なぜかチップをくれました。感覚がもう日本人ではなくなってしまった人だったのでしょうね。

教科書類は、学校にほしい人がいるかも

授業で使った教科書は、学校で周りに聞けば、次のタームから授業を受ける予定の人などが買ってくれる可能性大です。

留学の記念に持ち帰るのもよいですが、全部だと量が多すぎ、重すぎます。帰国してから使う機会もほとんどないことですし、ほしい人に安く譲ればお互い助かりますよね。さらに、答えが書き込んであることを喜ばれてしまう場合も、あったりします…。

インターネット回線、携帯電話などの解約

私のアパートは水道代や電気代は家賃に込み、銀行口座も作ったけど使えなくてずっと前に解約済、と帰国直前の契約関連の解約手続きは少ない方だったと思います。解約手続きした記憶があるのは、インターネット回線だけです。

携帯電話については、料金を支払わずにいると利用停止になることを先に経験していたため、手続きは特にせずに帰国しました。最終日夜まで電話は使う必要があったので、数日前に解約しなければならないのは困る状況であったことも理由です。本当はよくなかったのでしょうけれど…。

帰国日を「月曜日出発」にしてしまうと不便になるので要注意

インターネット回線の契約は、モデムを借りている状態でした。解約手続きはどうするのだろう?とタイムワーナーに電話してみたところ、回線停止の手続きだけでなくモデムを返却しないと解約にならない、返却しないうちは毎月利用料金が発生するとのこと。でも日曜日は窓口がお休みだから返却受付できない、ピックアップサービスもお休み、と言われました。自分で郵送するにも、日曜日は郵便局もお休み。

月曜日出発の航空券を買ってしまっていた私、インターネットに依存してなんでもかんでも調べて頼る生活をしていたため、モデムは土曜日に窓口に持参して返却するしかないと気づき、月曜日出発にしたことを後悔しました。テレビは早々に売り払ってしまっていたし、世界から取り残されたような気持ちで留学最終日の日曜を過ごすことになりました…。

「日曜日はお休みのためできない」ことが、外国ではけっこうあります。ギリギリまでサービスを便利に利用しつつ、スムーズにアメリカ生活を終えるためには、帰国の飛行機は月曜日以外に出発する便を選んだほうがよいと思います。

以上、帰国のための情報を探している方に、この記事の内容がひとつでも参考になれば幸いです。

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