2016年6月、イギリスのEU(欧州連合)離脱を問う国民投票が行われ、その離脱という選択が世界を驚かせました。イギリス留学をお考えの方や留学中の方は、直接的にどんな影響があるのか気になりますよね。また政情が不安定になるのではないかなど、家族や友人に心配されることもあるでしょう。

この記事では簡単なEUの説明からイギリスのEU離脱が留学生に与える影響まで、おさえておくべきポイントをご紹介いたします。

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1.いまさら人に聞けないEUってなに?

EUは欧州連合のことだということは何となく分かっているけれど、それ以上詳しいことは分からないという方も案外多いかもしれません。ここでは、簡単にEUの説明をいたします。

EU(イーユー)はEuropean Unionの略で、1958年にフランス、ドイツ、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグが発足したEEC(European Economic Community・ヨーロッパ経済共同体)が原型となり、構築されたヨーロッパの国際連盟で、現在の加盟国は英国を含む28カ国です。
参考:The History Behind Brexit – History in the Headlines

EU圏内では人や物の出入りが自由で、イメージ的には日本国内の物流や人の移動と同じ感じです。例えば、EU加盟国のパスポートを持っていれば、他のEU加盟国でビザを取得しなくても暮らしたり働いたりでき、輸出や輸入も課税されずに行えます。更にEU加盟国の28カ国中19の国が単一通貨のユーロを導入しているため、通貨両替の必要もありません。

2.最近よく聞く、『Brexit』ってなに?

2.最近よく聞く、『Brexit』ってなに?
BrexitBritain(英国)とexit(出る・退出)を組み合わせた造語でイギリスのEU離脱を意味しています。2016年の国民投票前後、ニュースなどで目にする機会が増えたのではないでしょうか。

辞書で有名なイギリスの大手出版社Collinsによると、Brexitが初めて使われたのが2013年で、同社が11月に発表した Word of the Year 2016(流行語大賞)では大賞になりました。イギリス国内において、イギリスのEU離脱問題への関心が非常に高かったことが分かります。

3.知っておきたいBrexitのポイント

3.知っておきたいBrexitのポイント
EU発足により、加盟国同士の貿易と人の行き来がより自由にすることで、関係が友好に保ち、経済的にも良好な効果が期待されていました。イギリスは1963年にEEC加盟を申請したが拒否され、10年後の1973年にEC加盟国になりました(1967年にEECはECに変わった)が、たった2年後の1975年にはEC離脱を問う国民投票が行われることに。その時は、残留することが決まりましたが、ヨーロッパの中でのイギリスの立ち位置は常に複雑なものでした。その後、EC はEUに変わり現在の形になりました。

1999年の単一通貨、ユーロ導入の際は国内世論により、参加が見送られ、現在もイギリスポンドが使われ続けているのも、イギリスがEU加盟国の一員として完全にはコミットできていないことを表しているのでしょう。

EUの根幹にある、自由貿易や経済的な利点も、世界的な不景気や窮困する個々人の経済状況などの観点から反対する意見や不満は、これまでも一定数ありました。それでも、EUがイギリス国民に与える実質的な利便性や理念的な自由が、そのマイナス点を緩和し、これまではEU残留が支持されてきました。

しかし、ギリシャの経済破綻が象徴するようにEU諸国の抱える経済不安、移民・難民問題、UKIP(英国独立党)の人気などにより、国民からのイギリスのEU離脱を望む声がここ数年大きくなってきました。2011年にデヴィッド・キャメロン氏は英国の総理大臣として初めてEU条約を拒否し、イギリスの経済を守るためにEUとの関係の見直しを公言し、EU離脱を問う国民投票を2016年6月23日に行うことを約束しました。

4.イギリスの国民投票の結果から見えてくること

4.イギリスの国民投票の結果から見えてくること
そして日本のメディアを含め、世界中の人々の関心が集まる中、イギリスの運命を変える国民投票の日がやってきました。当時の報道や世論調査では、なんだかんだ言って結局今まで通り、イギリス国民はEU残留を選ぶと考えられていました。けれど、投票結果は違いました。

BBCによると、72.2%という非常に高い投票率のこの国民投票、結果は52%対48%でイギリスのEU離脱派の勝利でした。僅差ではありますが、「民主主義」とはこういうものなのだと思い知らされました。

イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地域により構成されています。イングランドとウェールズでは離脱派が勝利しましたが、スコットランドと北アイルランドでは残留派が勝利しました。この事からも、イギリスは現在深刻な分裂が起きていることが分かります。

①EU離脱に一票を投じた人たち

EU離脱に票を入れた人たちは大きく2つに分けられます。1つはEU自体に不満がある人たちです。その多くは、EU諸国から流れ込んでくる移民や難民がイギリスの経済を圧迫していると思っています。彼らは、移民や難民をサポートするために税金が使われ、イギリス人に対する社会保障がないがしろにされている、外国人に仕事を取られている、と感じていたので、EUから離脱することで、自国民を守りたい、自分たちの暮らしを豊かにしたいと考えたのです。

2つ目は、既存の政治や体勢に対して不満があり、その意思表示のためにEU離脱に票を入れた人たちです。事前の報道などから伝わって来たムードは、EU残留派の勝利でした。ですから、既存の政治や体勢に警鐘を鳴らすためEU離脱に投票したのです。

②EU残留を望んだ人たちとその落胆

投票結果が明らかになった後、世論調査SNSを含むメディアでは落胆の声が多く聞かれ、国民投票のやり直しを求める声も多く聞かれます。僅差だったとは言え、国民投票で過半数を取ったはずなのに、これはなぜなのでしょう。

1つに前記した既存の体勢に対しての意思表示として投票した人たちがその行動に後悔しているということがあります。他にはイギリスのEU残留を望んだ人たちの傾向を見ることでその理由が見えてきます。

年齢層別の投票結果によると、若年層の大多数はEU残留を望んでいました。若年層はEU加盟以前のイギリスを知りません。そして、教育や家庭の中でEUの理念やそれが象徴する自由を教えられて来た世代なので、当然それを支持した結果、EU残留を支持しました。加えて、SNSやインターネットを使い慣れているので、発言を容易にでき、結果的に全世界に落胆や後悔などの個人的感想を発信することができました。

年齢が上がるにつれ、EU離脱に票を入れる人が多かったのですが、投票率自体も高年層の方が高く、65歳以上にいたっては投票率が90%でした。18歳〜24歳の投票率は64%に留まったので、現地メディアは残留派の敗因の1つとして若年層の投票率の低さを指摘しています。

更に残留を望んだ人の多くは高等教育を受けた人たちでした。彼らは様々な形で実質的にEU加盟の恩恵を受けていたり、理念的にもEUに賛同していました。若年層と同様にSNSやメディアを通して発言することも多く、影響力も大きい人たちです。

③EU離脱への道のり

国民投票でEU離脱が勝利したからと言って、すぐにイギリスがEU加盟国でなくなる訳ではありません。リスボン条約の50条に沿い、条件などについてイギリスとEUが協議を重ね、2019年までにEUからの離脱を目指します。

5.イギリスのEU離脱(Brexit)が留学生に与える影響

5.イギリスのEU離脱(Brexit)が留学生に与える影響
留学生にとって一番気になるのは、Brexitが留学生に与える影響でしょう。結論から言うと、イギリスのEU離脱自体、時間が必要なプロセスですから、円ーポンドのレート以外に、すぐに大きな影響が出ることは考えにくいです。

それでも、イギリスが実際にEUから離脱するとなると、長い目で見て確実に影響が出るので、注意深く動向を見ていくことが必要でしょう。

①円−ポンドのレートの変動

まず、Brexitの影響が顕著に表れたのは円−ポンドのレートです。2016年1月は1ポンド辺り170円でしたが、徐々に円高になり、国民投票の結果が出た6月下旬から7月上旬にかけて更に円高が進み、1ポンド130円にまでなりました。最新のレートを見ると、1ポンド130円台後半から140円台になっています。
参考:イギリス ポンド / 日本 円【GBPJPY】:外国為替 – Yahoo!ファイナンス

この先、どのような変動があるか分かりませんが、円高な時にまとまった学費など、留学の費用をポンドに替えられるとお得です。

②学費の変化でヨーロッパからの留学生が減る?

現在、多くのイギリスの大学では、学生の国籍により学費が異なります。一般的には、イギリス国籍の学生(Home Student)とEU加盟国の国籍を持つ学生(EU Student)の学費は同じ値段で、それ以外の国籍の学生(Oversea Student)は割高になります。ですから、教育水準が高く、学費が安いイギリスの学校はヨーロッパの学生にとって魅力的です。

それがイギリスのEU離脱によって、EU加盟国の国籍も他の海外国籍と同じ学費になってしまう可能性があります。そうなると、EU加盟国の国籍を持つ学生にとって、イギリスで学ぶ魅力が激減してしまいます。この結果、ヨーロッパからの留学生が減ることが考えられます。

③外国人に対して寛容的でなくなる?

Brexitの要因の1つに移民、難民問題があります。そのため、学生ビザや就労ビザなど、ビザ発給のハードルが上がることも予想されます。加えて、人々の外国人に対しての意識も変化し、今までのように、寛容的ではなくなるかもしれません。

短期の留学に留まらず、いずれはイギリスで就職、移住を考えている日本人留学生にとっては、将来的にそれが実現しにくくなる可能性が高いです。

いかがでしたか?EUやBrexitについてこのように様々な背景があり、今回のBrexitが起きました。今すぐに大きな影響がないですが、今後もニュースなどを注意しておくと良いでしょう。

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