世界最大の航空メーカーとしてその名を轟かすボーイング社をはじめ、小型航空機で有名なセスナ社などが世界の航空業界を牽引するメーカーや航空会社が本社を置く航空先進国、アメリカ。全米には各都市の空港をはじめ、プライベートエアポートも含めると数えきれないほどの航空機が広いアメリカの大空を飛行している航空大国でもあるのです。
そのため、他の国に比べてパイロット育成コースとなる航空操縦学をはじめ、航空業界で活躍するための航空学の各専門分野が充実しており、様々な観点から航空学を学ぶことができます。
特に、航空業界で活躍するエアラインパイロットは日本やアメリカのみならず大変競争率の高い職業ですが、常に知識、技術共に優れた人材が求められています。大空に羽ばたく航空業界で活躍したい人は、ぜひ充実した訓練施設で世界最先端の航空教育を受けることができるアメリカで学ぶことを検討してみましょう。
１．アメリカの航空学で学ぶ分野とは？
航空業界で活躍する職業と言えば、どんな職業を思い浮かべますか？花形とも言われる航空業界を代表するパイロットをはじめ、飛行機の整備を行う航空整備士、航空管制官、航空機やエンジンを開発・デザインする航空設計士など航空に関する職業はさまざまです。
アメリカの大学では充実した専門分野を有する航空学を専攻することによって、幅広い航空分野から専門分野をより細分化して学ぶことができます。もっとも人気が高いのはパイロット養成コースでもある航空操縦学ですが、飛行機やエンジンの構造などをより専門に学ぶ航空整備学や航空設計、経営学を合わせた航空経営学や航空経営学、航空管制経営学などを学ぶこと事ができるのはアメリカの大学の大きな特徴と言えます。航空業界においても運営面を担うプロフェッショナルを多く輩出しているアメリカの航空学分野は常に注目されているといっても良いでしょう。
２．アメリカで航空留学するメリット
アメリカで航空学を学ぶメリットは先にご紹介した航空学で学べる分野において説明したとおり、航空学の中でもその専門性がより細分化されより深く学べることが挙げられますが、その他にもアメリカで航空学を学ぶ主なメリットを２つご紹介しましょう。
①：充実している飛行訓練環境
アメリカの航空学部を専攻すると、大学に完備されたエアラインと同規模程度の訓練施設を利用して実際の飛行訓練を受けることができます。現役パイロットが実際にトレーニングに使うシュミレーションプログラムを１年生の段階から受講することができ、さらにはキャンパス内に訓練用のエアポートや航空機を所有しているのは広大な敷地を持つアメリカの大学ならではの特徴でしょう。
そのため、本来であれば訓練時間に制限が設けられることが多い飛行訓練であっても、大学構内でのトレーニングであればその制限をはるかに超えて実際に操縦訓練を受けることができるのです。アメリカの航空学を持つほとんどの大学でFAA（アメリカ連邦航空局)のパイロットライセンス取得できるプログラムが設けられていることもトレーニング環境をより充実させている背景となっています。
技術は実際の飛行トレーニングによって洗練されていくため、パイロットの中でも特にエアラインパイロットを目指す人にとっては、エアラインが就航する時の離着陸の疑似トレーニングもできる訓練環境は最高に充実していると言えるでしょう。
②：航空業界に不可欠な英語に恵まれた環境
他航空機や空港管制塔との交信は日本国内であっても英語が使用され、航空業界はすべて英語でコミュニケーションが取られています。
特に、パイロットのようにノイズが響く無線の音の中から的確に指示を聞き取り安全に飛行するためには、高度な英語リスニング力が求められます。また、飛行状態などを正確に伝えるためのコミュニケーション力も同時に求められるため、英語圏であるアメリカ留学で航空学を学ぶことは航空業界で活躍するために不可欠な高い英語力を培う最適の語学環境とも言えるでしょう。
高い英語力に基づいたコミュニケーション力を持つパイロットは、日本のエアラインだけでなく、アメリカをはじめとする世界各国のエアラインでも十分に通用する人材のため就職においてもより有利な場合が多いと言えます。
３．アメリカ航空留学の期間と留学費用について
アメリカで航空留学を学ぶ場合は、アメリカの大学に入り航空学を専攻する場合がほとんどです。そのため、航空留学にかかる期間として基本４年間と見ておくとよいでしょう。なかには、日本航空大学校やエアライン自社養成コースへの受験などを考慮して４年間過程を半年～１年程度早く履修する人もいるので、卒業後の就職プランによって留学期間は異なる場合もあります。
アメリカの航空留学が人気の理由として、日本国内の航空大学校などで航空操縦科を卒業するよりも学費がかなり安く抑えることができる点が挙げられます。一般的に日本で航空操縦科を卒業するまでには約2,000万円かかるとも言われていますが、アメリカの大学に留学した場合は、大学の学費と実際に航空機を使用する飛行トレーニング費用を合わせて約US$80,000に抑えることができるとも言われています。
アメリカの航空留学でもっとも費用が掛かるのがフライトトレーニングです。プロフェッショナルライセンスを取得する場合は、シュミレーショントレーニングと合わせてフライトトレーニングは250時間が必要とされています。アメリカの大学の訓練施設の場合、民間のフライトトレーニングよりも使用料が安く、飛行トレーニング１回につき平均US$100の負担としても最低250時間のフライトトレーニングを行うだけでもUS$25,000以上かかり、大学も学費以上に費用がかかることを考慮しておく必要があります。
アメリカの大学費用については留学先の大学や都市によって異なりますが、一般的な大学費用は別コラム「アメリカの大学留学費用について【期間別の概算費用と奨学金情報】」で詳しくは説明しているのでぜひ参考にしてみましょう。
４．アメリカ航空留学におすすめ校
アメリカには航空学に優れた大学が数多くありますが、なかでもフロリダ州にあるエンブリーリドル航空大学は、世界トップクラスの航空大学として注目されている有名校です。航空工学をはじめ航空分野では全米トップに輝くなどアメリカで航空学を学びたい人にとっては憧れの大学であり、アメリカでパイロットとして活躍している人の約80％が卒業生と言われるほど航空業界のエリート輩出校でもあるのです。
その他、カンザス州立大学も航空学、特に航空整備学においては有名校と言えます。小型航空機メーカーであるセスナ本社の地元であるだけにその整備技術は全米屈指の教育環境となっています。
その他もジョージア工科大学、UCLA、パデュー大学など、航空学のみならず航空宇宙工学分野においても最先端の研究と教育、技術を学ぶことができる大学が注目を集めています。
５．アメリカ航空留学後の進路について
アメリカでの航空留学修了後の進路は、専攻した航空学分野においてプロフェッショナルとして活躍する場が期待されています。
特に、航空操縦科の場合は各エアラインパイロット職の人材不足が近年問題となっていることもあり、そのまま世界各国のエアラインに就職したり、帰国して日本の航空大学校に入学するなどパイロットとして活躍する可能性が高く、未来図が描きやすいといます。
そのほか、航空機整備や航空管制官、プライベートフライトをメインとする操縦士をはじめとする航空飛行を支えるプロフェッショナルとして活躍するほか、時には何万人もの人が往来する各都市の空港運営や航空サービスなどのマネジメント分野で航空業界を支えるプロフェッショナルとしても活躍しています。
航空留学で学んだ幅広い航空知識と高い英語力を持つ人は、航空に関する業界では常に評価も需要も高く、即戦力として活躍できる人材として注目されています。アメリカで学んだことを十分に生かせる職場で活躍できることが期待できます。
アメリカでは日本に比べて航空分野が身近な分野として定着しているため、アメリカの大学で専攻することにより入学時は全くの初心者であっても、大学卒業時には航空業界で十分活躍できるだけの技術と知識を身に付けることができます。
膨大な時間のフライトトレーニングを経験し、さらには現地のアメリカ人のクラスメートと肩を並べて専門分野を学ぶ留学生活は決して楽なものではありませんが、精神的にも人間的にも更なる成長が期待できることはアメリカ航空留学の大きな魅力と言えます。大空へ羽ばたく夢をアメリカへの航空留学でぜひ実現させてみましょう。
