ヨーロッパの歴史ある建築物を目にした時に思わず感動したという人は少なくないでしょう。現存する歴史的な建築物には、芸術的な観点から見ても、そして緻密に計算された高額的な観点から見ても大きな価値があるものです。

建築学を学ぶ留学先としては昔も変わらずヨーロッパに人気が集まる傾向にあります。その長い歴史的な価値、芸術性の高さから言っても、ヨーロッパの建築物が今も残る街並みは建築学を学ぶには申し分のない環境でしょう。しかし、最近では近代建築の本場とも言われるほど世界的にも独創的なクリエイティブ力が高いアメリカへの建築留学が注目されています。

1.アメリカで建築を学ぶメリット?

1.アメリカで建築を学ぶメリット?

アメリカの東海岸の代表都市でもあるボストンやニューヨークには世界的にも有名な建築、建造物が数多く残っており、ヨーロッパでの建築留学と同様に建築様式など歴史的、芸術的観点からも大変価値のある建築物に囲まれて学ぶことができることが魅力です。

しかし、アメリカで建築を学ぶメリットとしては伝統や景観の保存を重視するヨーロッパの建築学に比べると、よりモダンで独創的な建築デザインをいかにこれまでの環境や街並みと融合させるか、建物の用途などビジネス的要素を含んだ都市開発デザインや環境工学といったモダン建築の分野を学ぶことができることが挙げられます。理論だけでなく、実際に大学キャンパス内に完備された大規模なデザインスタジオで作品を作ることができる点も主に建築デザインを学びたい人には最適の環境と言えるでしょう。

また、アメリカの大学で建築学を専攻するメリットとして建築に関して初心者であっても建築学を専攻することが可能で、4年間過程、または大学によっては5年間過程で、芸術面、技術面、工学面、そしてビジネス面といったあらゆる角度から建築を学ぶことができることにより、築学士(Bachelor of Architecture)、もしくは大学院卒業の場合は建築修士(Master of Architecture)を取得することができます。

2.アメリカで学べる建築の分野とは?

2.アメリカで学べる建築の分野とは?

アメリカの大学で建築学科を専攻する場合、クリエイティブスキルをより洗練するための建築設計やデザインの他にも、建築に関連する専門分野がさらに細分化されており、学生が興味を持つ専門的な建築分野をより深く学ぶことができることがアメリカ建築留学の魅力です。

①:建築の基礎知識を学ぶ

建築に関する基礎的知識として、数学的知識を合わせた工学、建築の歴史や理論、技術的な仕組みやデザイン、建築に関わる法律の他にも、環境問題や都市開発、3Dグラフィックスなどのパソコンプログラムスキルなど建築全般の幅広い知識とスキルを身に付けることが必要になってきます。

②:建築の各専門分野を深めていく

基本的知識を修得後は、文化や社会、環境と建築と関わりをより掘り下げて学んだうえで、建築技術や建築工学、建築デザイン、都市計画や環境デザイン、ランドスケープ建築、インテリアデザイン、ビルディング・サイエンス、景観学などの各専門分野へと専門性を深めていくことになります。

「建築を学びたい」と一口に言っても、建築全般の知識とスキルだけでなく幅広い専門分野から自分が理想とする分野を確実に選び学ぶことができるのは、アメリカ建築留学の最大の魅力と言えます。

3.アメリカ建築留学の期間と留学費用について

3.アメリカ建築留学の期間と留学費用について

アメリカの大学留学で建築学科を専攻する場合は、基本的に4年過程、もしくは大学によっては5年過程となる場合が多く、いずれにしても年単位の長期留学となります。そのため、留学費用は留学先となる大学や都市によって異なりますが、高額になる傾向があります。

詳しくは、一般的な大学費用は別コラム「アメリカの大学留学費用について【期間別の概算費用と奨学金情報】」で詳しくは説明しているのでぜひ参考にして下さい。

また、4年大学で専攻してきた建築をより専門的に学ぶために大学院に進学する人も多いのですが、なかには大学院で専攻を建築学に変更する人もいるでしょう。その場合は大学院の1年過程、もしくは大学によっては2年過程で建築を学ぶことになります。大学院の概算留学費用は別コラム「アメリカの大学院留学に必要な費用について【州立と私立の比較と奨学金】」を参照して下さい。

建築留学は、大学の理論講義だけでなく、実際にその建築物を見に行ったり、街並みや都市デザインを研究するために世界各国、各都市を見て回ることも必要になってきます。そのため、研究にも充てることができる資金を留学資金とは別途で準備しておく、もしくは多めに留学資金を準備しておくようにしましょう。

4.アメリカ建築留学までの流れとおすすめ校

4.アメリカ建築留学までの流れとおすすめ校
引用元:アメリカの建築学科に留学に必要な材料

それでは、アメリカ建築留学するまでの流れをご紹介しましょう。

①:TOEFLスコアの向上

アメリカの大学に出願する場合は、入学までに最低でも1年半程度の準備期間を見ておくようにしましょう。出願時期は大学によりますが、建築学科を持つ有名校のほとんどは毎年1月上旬が出願時期になるため、せめて12月までには必要書類などは揃えておきたいところです。

アメリカの大学に建築留学する場合、まず必要となってくるのが大学入学のためのTOEFLスコアです。大学の講義についていけるだけのリスニング力と日常生活に不自由しない程度のコミュニケーション力は建築留学には必須条件となっています。そのため、留学を決めたら早い段階で英語力向上に努め、志望校が指定するTOEFLスコアはクリアしておくようにしましょう。

②:ポートフォリオの作成

英語力の向上と合わせて出願までに準備したいのが、ポートフォリオです。願書と一緒にポートフォリオの提出を必須にしている場合も多く、ポートフォリオが合否を決めると言っても過言ではありません。時にポートフォリオのクオリティーによっては奨学金受給の対象になる場合もあるので、建築学を専攻する場合はポートフォリオの準備もしっかり進めておきましょう。

③:アメリカ建築留学のおすすめ校

アメリカの建築学科を持っている大学は全米に数多くありますが、なかでもレベルの高い建築学が学べる大学として東海岸にあるアイビーリーグをはじめ、全米の有名大学がその名を連ねています。

イエール大学やスタンフォード大学、ライス大学の他に、全米屈指の芸術分野レべルを誇る南カリフォルニア大学、プリツカー賞を受賞したリチャード・マイヤーの作品があることでも有名なコーネル大学などにもハイレベルな建築学科があるため、建築を専攻する学生に人気の大学となっています。

ここで紹介したような有名校に限らず、州立や小規模の大学であっても建築学科を持っている大学には広大なデザインスタジオや学習設備が十分に整っている場合も多いため、学費等の留学費用、出願時の英語力などから自分に合った大学や留学先を選ぶのもおすすめです。

5.アメリカで大学院進学も!建築留学後の進路について

5.アメリカで大学院進学も!建築留学後の進路について

アメリカで建築留学した人の多くは、そのまま大学院へ進学する人も少なくありません。もちろん4年間専攻してきた建築専門分野をより研究するためですが、アメリカで建築士として活躍するために建築家登録試験 (Architect Registration Examination)の受験資格を得ることも視野に入れている人も少なくありません。さらに、アメリカとは異なる建築学を学びたい人やヨーロッパやイギリスの企業でのインターンを目的にヨーロッパへ渡る人もいます。

また4年間の建築留学後は、日本に帰国して、建設・建築業界、インンテリア業界、都市デザイン業界など幅広い業界での第一線で活躍する人もいます。時には、無報酬のインターンの場として日本企業を選ぶ人もいます。

アメリカで大学院へ進む場合や国内外の企業でインターンシップを経験する場合には、出願や申込時に必要になってくるのがこれまで手掛けてきた作品のポートフォリオが大きなキーポイントになってきます。卒業後のステップアップのために大学在学中からポートフォリオの作成は続けておくと良いでしょう。

いずれにしても、国際感覚と同時に豊富な知識とスキルを修得したからこそ幅広い分野で活躍が一層可能になる優秀な人材として、日本でもその将来を期待されています。

建築学は、その土地に住む人が快適に、そして安全に過ごせる建築物を構築することによって、今ある生活環境をより豊かに進化させるための都市デザイン、環境設計の基礎になります。また、芸術デザインに優れた建築物は長い年月を経ても人の心を打つ美しさと豊かさをもたらしてくれます。私たち人間がこれまで築いてきた文化は建築と共に築かれてきたと言っても過言ではありません。

建築を学ぶことは、これまでの歴史をリスペクトし、現在を進化させ、次世代へと文化をつなぐことでもあります。未来への継承者として建築に関わるスペシャリストへの第一歩をアメリカで踏み出してみましょう。

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