留学前にかなりの回数、アメリカへ観光旅行もしていた私ですが、旅行で滞在するのと住むのとはでは大違いでした。住んでみて初めて受けたカルチャーショックはたくさんあります。早速ご紹介してみたいと思います。
学校で感じたカルチャーショック4つ
○と×の意味が真逆
学校で、最初のテストの答案が返ってきたときの衝撃です。
うわー!間違いだらけ!なのに、点数は悪くない。ん?よく見ると、正しい解答のところには大きなチェックマークがついていて、間違っているところには、○がつけられていました。えっ、日本と○×の意味が、真逆なの!
その後も、○と×の意味が逆である状況には何度も遭遇しました。留学を終えてから他の国へ旅行したときにも同様でした。○と×の意味が世界の常識と異なるのは、実は日本の方のようです。
途中で休憩してもいい
「テストの最中にはいつでも、休憩しに外に出てもOK」と言われて、驚きました。
カンニングしようと思えば簡単にできちゃうじゃない!と思いましたが、したい人はしたとしても、力になっていないから後で困るのは自分、ということになるだけのようでした。
青ペンで採点
答案が青いペンで採点されていたのにも驚きました。「採点には赤ペン」と決まっているのも、日本だけのことなのかもしれません。
授業中の飲食、OK?
朝一の授業中に、「朝ごはん、食べる時間がなかったから」と、何か食べている生徒はクラスにときどきいました。それを先生が注意することはありません。飲み物も持ち込みOKで、学校内の自販機で買った缶ジュースにストローを差して、飲みながら授業を受けることが当たり前になっていました。
帰国してからもその感覚を保ったままだった私、ある日運転免許更新の講習へ行ったときに、ミネラルウォーターのボトルを机の上に出していたら、講師に注意されました。とっさに「こんなに長い時間、何も飲んじゃいけないなんて、日本はヘン」と、思ってしまいました。
他文化の習慣に慣れていて、当然のように受け入れる人々
「お祈りの時間だから」と、授業中に突然早退を申し出る、イスラム教信者のクラスメイト。ごく当然のように、早退を許可する先生。
えーっ!
さすが「人種のサラダボウル・ニューヨーク」、を感じたカルチャーショックでした。
風邪っぴきの人に対する周りの態度
日本には「風邪ぐらいで仕事や学校を休むなんて。頑張って行きなさい。」という考えが根付いていて、皆勤賞のためにと頑張る人も多いですが、「日本の常識は世界の非常識」なので留学先では要注意です。
風邪をひいているとばい菌扱い?
風邪をひいた状態で学校へ行くと、先生にも外国人クラスメイトにもみんなから「ばい菌扱い」されます。
ある日のクラスでは、鼻をぐずぐずさせていた生徒(もちろん日本人)が鼻をかみに教室を出て行ったあと、アメリカ人の先生が「あのドアノブは、今、彼が触って汚くなったから、ノブに触ったらすぐ手を洗うように」とみんなに注意しました。露骨にそんなこと、言うの~?と思いました。
「風邪をひいたら学校に来こないで」といつも言っていたイギリス人の先生は、授業中一人一人当てながら順に答えさせていくときに、風邪をひいている生徒をわざと飛ばしました。「話して風邪菌を撒き散らすな」ということらしいです。飛ばされた生徒(もちろん日本人)はとても怒っていました。
どちらも、こんなこと日本の学校で先生がやったら、即、大問題になりそうですよね。
でも、アメリカでは、「病原菌をまき散らすべきではない。具合が悪いときには公共の場には出るな」という考え方が浸透しているようです。
風邪をひいたら心おきなく静養して、しっかり治してから外に出かけるようにしたほうがよさそうです。
外から部屋の中が丸見えでも平気?
大きな道路に面した部屋に住んでいたときには気づかなかったのですが、隣に建物がある部屋に住んで、急に気になったことがありました。
お向かいのビルの建物もアパートなのですが、窓にカーテンがついている部屋がほとんどない!家の中が丸見えなのです!オフィスらしい部屋も同様で、窓際の机の上に書類が散らかっているところまで丸見えでした。
プライバシーは気にしないの?「誰かに見られているかもしれない」って気にならないの?…気にしない人が大多数のようです。
値札を取ったあとでも、返品交換OK
アメリカのドラマなどで見たことある方もいると思います。人からもらったものが気に入らなかった場合、お店にレシートと一緒に持参すれば、返品や交換を受け付けてもらえます。
自分で買ったあと、単純に気が変わっていらなくなった場合も、値札などを外してしまった後でも返品を受け付けてもらえます。デパートでは返品手続き専用のカウンターが設置されているところもあり、いつも行列ができています。
これは便利、と私も気軽に返品するクセがついてしまい、帰国してからも同じ調子でやってしまって(さすがに値札は外す前でしたが)、返品されることに慣れていない日本のお店のスタッフを困らせてしまったことがありました。
仕事に対する考え方、姿勢が日本と全く異なる人々
デパート「メイシーズ」へ冬物のブーツを買いに行ったとき、鼻歌を歌いながらゴキゲンで接客するスタッフがいました。驚きましたが、こちらまで楽しい気持ちになりました。日本ではこのような接客は絶対に許されないことですが、ちょっと、あってもいいんじゃないかな、と思いました。
某本屋さんでは、買いたかった本が見つからないので聞いてみたら、「うちの店には置いていません」と豪語されました。が、直後にすぐ近くの棚にあったのを私が自分で見つけました。
ここにあるじゃない!なんで「ありません」なんて嘘、つくの!
アメリカの人々の仕事においては「自分の担当以外のことは一切関知しない」「担当者同士の縦横の連携が全く取れていない」ことが大多数です。小さなことなのにいちいち、一人一人の対応に限界があり融通が利かないという理由で、コトが先に進みません。
そうかと思えば運が良いときには、「えっ、日本じゃ考えられない!そんなことまでできるの?!」という、敏腕スタッフに当たることもあります。この差が極端に激しいのがアメリカです。
自分の生活が一番大事な人々
某不動産会社で担当が、顧客(私)のアパートの入居審査に時間がかかり入居できずに困っていることを知りながら、審査の進行状況を確認することもせず、突然休暇に入り連絡が取れなくなったことがありました。
休暇も、あちらは期間が長いんですよね。「連絡が取れるのは2週間後になります」と言われて、さすがの私もキレました。
私はこのとき、よいサブレットがなくて、旅行で利用するようなホテルに泊まっていたんです!すぐ入居できると言われていたのに、このままでは留学資金がどんどん減ってしまう、もう待てない!
アパートの審査機関には私が自ら催促してみたところ、翌日から入居できることになりました。仲介手数料返せ!って思いました。
仕事よりも何よりも、自分の生活が常に最優先で、予定通り家族とバケーションを取ってしまう。でも、そういう考え方や生き方もアリなんだ、そういうことしてもいいんだ、と気づかされたカルチャーショックでもありました。
まとめ:カルチャーショックを乗り越えて、心の広いグローバルな人になろう
後半のエピソードは、苦労の連続となった経験談になってしまいましたが、実際には、楽しいカルチャーショックも多かったのですよ。
このようなカルチャーショックをいろいろと体験し、ひとつひとつ受け入れて消化していくのがアメリカ留学生活です。すべて、アメリカに住んでみなければ絶対に気づけなかったし、経験できなかったことばかりです。ふと気づいてみれば、自然に心が広くなり、いろんなことに対応できる、グローバルな視野を持てる自分になっていたのでした。
留学生活は、本当に貴重な体験を、自動的に次々できる機会です。こちらが特に期待していなくても、カルチャーショックという経験を通じて学べることが目白押しです。
あなたも、そのような貴重な体験をぜひしてみてください!